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学習心理学における「学習」

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ポイント

 


学習心理学とは、私たちが何をどのように学ぶのか、学んだ結果がどのように行動に反映されるのかについて研究する学問である。

学習のなかには、生まれてすぐのわずかな限られた時にしか生じないものもある。カモや鶏の雛は、孵化直後に見た大きな動く対象を追尾するようになる。これは生後の1〜2日以内にしか生じないとされている。

 

 

学習とは、経験により比較的一時的な行動変化がもたらされることである。遺伝の制約を受ける成熟と区別するため「経験により」とされ、一時的な疲労や酔い、動機づけによる変容と区別するため「比較的永続的な」とされています。

学習の経過をグラフで表したものを「学習曲線」といい、学習課題を練習しているときの一時的な進歩の停滞期間のことを「プラトー」と呼ぶ。

比較的単純な動物に見られる生得的行動を「向性というが、ある刺激に対して、近づいたり遠ざかったりする行動を「走性」という。

学習の一般法則を明らかけるためには、実験を行う必要がある。つまり、経験させる内容(独立変数)(何を)をあらかじめ決めておき、その経験の結果どのように行動が変化するか(従属変数)(何を指標に調べるか、効果などの指標になるもの)を測定しなければならない。この際、独立変数以外の条件は一定に保つことが重要である。また、複数の被験者に同じような経験をさせて、同じ結果になるかどうかを確認する必要がある。こうした実験的研究により、どのような条件で学習が生じるのか、何が学習されるのか、学習した内容はどのように行動に表出されるのかを明らかにできる。

学習研究をいかした心理療法は「行動療法」である。

背後で起こった突然の大きな音によって身体がこわばるように、予期しない刺激に対して起こる不随意的な身体的反応を「驚愕反応」 という。

生体は、その外部に何らかの刺激が呈示されると、そちらの方向に注意を向けるような行動をとる。このような反応を「定位反応」または「定位反射」(orienting_ reflex)とよぶ。
生得的触発機構は動物の行動を引き起こす最も基本的なしくみと考えられるもので,遺伝的にプログラムされた行動の発現を説明する機構。IRM( innate releasing mechanism)と略記することもある。解発機構(ドイツ語でAuslösemechanismus)の語はK.ローレンツの提唱になる。これを引き出すリリーサー(あるいは,それに含まれる鍵刺激)によってその行動が発現するという考えに基づくもの。

 

 

初期経験とは発達に大きな影響を及ぼす出生直後の特殊な経験のことで、初期学習、初期刺激づけともいう。初期経験が成立する出生直後のごくわずかな時期のことを「臨界期」(敏感期)と呼ぶ。もっとも有名なのが、ローレンツによる、カモがふ化した直後に見た大きな対象について行く現象がある。これは「インプリンティング刻印づけ刷り込み)」という。孵化直後の36時間前後しか起こらないとされている。

 

 

確認問題

 

[1]

下記の用語を簡単に説明しなさい。

・刷り込み

愛知教育大学大学院 教育学研究科 教育支援高度化専攻 臨床心理学コース)

 

 

 

解答

 

[1]

ローレンツによる、カモがふ化した直後に見た大きな対象について行く現象のことである。