仮現運動 ウェルトハイマー
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踏切の赤いランプが左右交互に点滅する様子では、赤い光がまるで、左から右へ、右から左へ運動しているように見えることがあるだろう。この現象は要素主義では説明できない。
構成する要素は左の光と右の光の2つだが左の光だけ単独で見ていても、右の光だけ単独で見ていても、光が運動して見える様子を説明できないからだ。左の光と右の光が交互に点滅している状態を「全体」としてとらえてはじめて運動を知覚することができる。
このように、離れた2点間に刺激を順番に提示することで、先に提示された位置から後に提示された位置に向けて刺激が移動しているように見えることは仮現運動(β運動)とよばれている。そして、ドイツの心理学者ウェルトハイマーはこの研究を通じて要素主義を批判、要素に還元できない全体性がもつ情報をゲシュタルトとよび、そこに注目した。
ウェルトハイマーなどのゲシュタルト学派は全体は要素の寄せ集めではないと要素主義を批判した。そして、全体の構造が部分を規定する。全体は部分の総和以上のものであるとした。
ex.
ヴント(Wundt)の要素主義は,意識内容を要素に分解することを目指した。
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