ポイント
バランス理論
自分を含めた好悪関係について、ハイダー(1958)はバランス理論を提出している。自分をp, 2人の他者をそれぞれoとqで表現すると, 自分pからoへの好悪関係, pからqへの好悪関係, さらに自分pが認知するoからqへの好悪関係の3つが考えられる。各関係の内容として好き (好きだろう)、または嫌い(嫌いだろう)が入るとすると,何種類かの三者関係の好悪パターンが存在する。なお,バランス理論では,便宜的に好き (好きだろう)は+,嫌い(嫌いだろう)は-で表 現される。
ハイダーの主張の一つは,三者関係における好悪の3つの符号(+, -)を掛けあわせた結果が+であればバランス状態にあり、自分pの心理状態は安定しているが,逆に乗算の結果 が-になるときはインバランス状態にあり, 自分pは心理的に不快で緊張が生じると考えた。図4.17に示す三者関係はインバランス状態にあり,たとえば自分pとoさんが食堂で話しているときに,自分が嫌いなqさんがやって来てoさんと親しく会話を始めたとしたら、自分pは不快であり緊張を感じるであろう
さらにハイダーは,インバランス状態にあるときは不快感や緊張を解消しようとして,いずれかのバランス状態に向かおうとする心的力が働くと主張した。インバランス状態からバランス状態に移行するには, 3つの関係のいずれか1つの符号が変化すればよい。たとえば図4.18で, 自分pは親しいoさんを嫌いになっていくか,嫌いなqさんに好意を持つようになるか。 あるいはoさんがqさんを嫌うよう働きかけたり,嫌いだと思い込むなどが起こるかもしれない。
内的帰属と外的帰属
帰属の理論的枠組みを最初に提唱し、内的帰属と外的帰属という概念を初めて提唱した。
内的帰属
行為者の能力、性格に帰属させること
ex.
出来事:「車で事故をしてしまった」原因帰属:「自分の不注意のため」と考える
外的帰属
環境、状況などに帰属させること
ex.
出来事:「車で事故をしてしまった」
原因帰属:「突然横から車が出てきたから」や「いつもより渋滞していたから」と考える
確認問題
[1]
次の概念に最も関連の深い人名を選びなさい。
・バランス理論
1、Zimbardo 2、Weiner 3、Heider 4、Snyder
(名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)
[2]
人の行為の原因帰属では、居囲で目撃した人が他者の失敗行動をその人の( )に帰属しやすいとされている。
(名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)
解答
[1]
3
[2]
内的原因