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愛着 attachment

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 愛着とは、親と子どもの間の無条件の信頼関係を指す。

   養育者の顔をじっと見つめたり、笑ったり、抱きついてきたりなど、乳児はさまざまな行動を養育者に対して行う。養育者もこのような行動をとる赤ちゃんをかわいいと思い、頼られていることを心から嬉しく思いながら世話をする。このようにして、養育者と子どもの間に心のきずなとしての愛着(アタッチメント)が形成されていく。ボウルビィは、養育者の世話を誘発するような乳児の行動を愛着行動と呼び、無力な状態で生まれてくる人間の乳児にとって、有効な社会的適応システムだとした。

 以下愛着の形成過程である。生後2カ月くらいまでは、子どもは特定の養育者を区別することなく、一般的に人間の声や顔に対して注視や微笑をしたり、泣いたりする (第1段階、愛着行動 : 定位・信号)。その後6, 7カ月頃までは、特定の養育者に対して微笑や発声、歓迎などの行動をとる(第2段階、愛着行動 : 定位・信号)。この頃になると自分の知らない顔に対して、不安の兆候を示したり泣いたりする人見知りが始まる。

 次の第3段階 (2歳頃まで、愛着行動、発信ならびに動作の手段による接近) では、愛着の対象である養育者に対して, 特定の後追いや抱きつきなどではっきりとした愛着行動を示し,その人が見えなくなると強い不安を引き起こすようになる。これを分離不安という。一方でこの時期の子どもは、愛着の対象者を安全基地とみなして一次的に離れ、周囲を探索したりするようになる。

 3歳以降の第4段階では愛着対象が内面化され、今目の前にいなくても戻ってきてくれるとか家に帰ればいてくれるという信頼感をもとに、子どもは外の世界にでて他の子どもと遊んだり、養育者以外の大人とも相互交渉できるようになる。(認知的接近、特別な他者と二次的人物の区別)