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フロイド(Freud.S) 心の構造

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□フロイドの心の構造

 

    フロイドの考えた心の構造は図にまとめられており、外界との接点から、意識、前意識、無意識がある。前意識は必要に応じて思い浮かべようと思えば意識できる領域にある。現実原則に基づいて、イドと超自我をうまく調節する役割を果たす自我は、意識及び前意識と同じ領域に存在する。イド及び超自我は無意識の領域にあり、超自我は心的エネルギー源であるイドの快楽原則に従う本能的衝動を抑える。

 

□フロイドの精神分析

 

  要素主義が意識を対象にしていたのに対して、フロイドは無意識に注目した。神経症患者への治療を通じて、心理療法のモデルを作る。

 

フロイドは人の精神が意識・前意識・無意識の3つの領域から構成されていると述べた。これを局所論という。

 

①意識

 記憶や感情、思考や認知など、心の現象として経験できる領域。自身でコントロールすることが可能である。

 

②前意識

 普段は意識されていないが、思い出そうと注意を向ければ思い出せる領域。たとえば前日の食事の内容は、普段意識になくても、思い出そうとすれば思い出せるだろうから、前意識にあることがわかる。

 

③無意識

 心の現象として経験できず、自身でコントロールすることのできない領域。前意識のように思い出そうとしても思い出せない。

 

フロイドは、虐待などで生じる心的外傷(トラウマ)を意識から締め出し、無意識に閉じ込めると考えた。このことを抑圧という。抑圧された心的外傷はコントロールすることができず、不適応行動を引き起こす。これがヒステリー(神経症)の原因であると考えた。

 

また、フロイドは人のパーソナリティ構造が、イド・超自我・自我の3つで構成されていると述べた。これを構造論という。

 

①イド(エス

 人間の生命エネルギー·性的なエネルギーであるリビドーが備蓄されており、快楽原則に基づいて活動しようとする。

 

超自我

 親や社会によって形成された価値観·倫理観に基づいて、イドを監視, 検閲する道徳原則に基づき、行動の善悪を判断する。 

 

③自我

 イドが強すぎると、快楽に流されて社会的な適応が困難になり、超自我が強すぎると, 道徳に縛られすぎて自分を追い込んでしまう。 自我は現実原則に基づいて、イドと超自我をうまく調節する役割を果たす。自我が脆弱だとイドや超自我に振り回されるので、精神分析では、この自我の強化が目的の一つとしてあげられている。