社会的アイデンティティ理論(social identity theory)
ポイント
社会的アイデンティティ
自分が何者であるかという自己概念は個人的アイデンティティと社会的属性による社会的アイデンティティからなる。
社会的アイデンティティ理論では、人々はポジティブな自己概念を持つことを好み、自尊感情を高めることに動機づけられている(自己高揚動機を持つ)を仮定している。
人々は集団への所属を通じて望ましい社会的アイデンティティを獲得し、それによって自尊感情を高める。
内集団ひいき(びいき)
集団の中でも、自分の行動や思考の基準となる集団のことを準拠集団と呼ぶ。
自分が所属し、成員であると認知している集団を内集団。所属していない集団を外集団という。
自分と同じ集団の成員というだけで、外集団の成員によりも好意的な感情や態度、行動を示すことが知られている。これを内集団ひいき(内集団バイアス)という。
この内集団バイアスが社会的排斥(差別)につながる。
外集団を低く位置付けることを意味するため、自民族中心主義や外集団への偏見や差別を生み出す元になる。
H.タジフェルとJ.C.ターナーは、社会的アイデンティティを提唱しました。内集団バイアスは自分と自分の所属集団を同一化し、誇りや恥ずかしさなどの感情的意味合いが加わったものである社会的アイデンティティによって起こるものとされています。