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失語症(Aphasia)

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ポイント

 

ここで高次脳機能障害の一つである失語症について述べていきます。

失語症は、一旦獲得した音声言語や文字言語を理解したり表出したりする能力の障害を後天的に生じるものである。

失語症患者は発声器官・運動機能に問題はない。

失語症は一般には左半球の損傷によって生じる。 

左半球の音声言語機能はヘッシェル回・ウェルニッケ領野・ブローカ領野・弓状束・角回の五つの主要要素からなりたっている。これらは環シルヴィウス溝領域あるいは古典的失語症関連領域とよばれる。

 

 

主要な失語4型の分類がある。

まず、非流暢性失語か流暢性失語かに大まかに分類する。

主要な非流暢性失語は全失語ブローカ失語である。これらは、理解障害の程度で区別される。

また、流動性失語と考えた時、ウェルニッケ失語健忘失語を検討する。両者は、理解障害の程度と発話の質によって区別される。

 

失語症の種類

ブローカ失語(Broca's aphasia)

運動性失語(motor aphasia)あるいは表出型失語(expressive aphasia)ともいわれる。言語を発生させることに障害がある。その障害の程度は、まったく話せないというような場合から、語の選択に支障があるというような程度までいろいろである。文法上の誤りが多くなり、助詞や助動詞、形容詞が脱落する電文調とよばれる話し方がみられる。また、無意味な音節が出たり、「机」を「クツエ」や「ツクエッ」と言い誤るような音韻的錯語(obonemic paraphasia)が生じる。しかし、頻度の高い言い回しや歌唱は可能た場合がある。日本語書字では漢字よりも仮名が侵される傾向が強い、語の理解は一般に良好である。

 

ウェルニッケ失語(Wernicke's aphasia)

感覚失語(sensory aphasia)あるいは受容型失語(receptive aphasia)ともいわれる。話し言葉の理解、書字言語の理解の障害が中心である。ブローカ失語と症状は対照的である。錯語、保続などがみられるが、この症状がひどくなるとほとんど意味のわからない音を羅列するジャルゴン(jargon)が生じる。「机」と言うべきところを「イス」と言ったり、「赤」と言うべきところを「ミドリ」と言うような意味的錯語(semantic paraphasia)が認められる。聴力は保たれているが、語音の把握が悪いために復唱がおかしくなる。日本語の書字理解では漢字も仮名も同じように侵されることが多い。

 

伝導失語(conduction aphasia)

弓状束の障害ともいわれる失語で、書字、話し言葉の両方に異常がある。言語理解は比較的保たれており、構音の障害もほとんどみられない。錯語や語健ぶがみられることがあるものの、自発語は比較的流暢に話せるが、復唱が著しく障害され、無意味語、抽泉名詞などが特にひどいタイプと、自発語に語や錯文法を示すタイプがある、したがって、言語理解は良好でも、検査者の指示に従って動作することができなくなる、写学は可能であるが、自発的に書いたり、聞いたことを書き取ることはできない、日本語書字では漢字よりも仮名の錯読、錯書の障害が著しい。

 

全失語(global aphasia)

ブローカ失語ウェルニッケ失語の合併したものとみなされており、日語に関するすべての機能が失われるタイプの障害がみられる、ただしまったくの繊黙というのではなく、ある語句を自発的に繰り返したり、反復して発語することがみられることが多い、

 

 

 

さらに、比較的稀である失語に目を向ける。

超皮質性失語群は、(健忘失語と軽症の失語以外で)復唱が良好な失語である。

一方、伝導失語は、(音韻性錯語が目立つ流暢な発話と復唱障害を示す一方、)理解がほぼ正常に保たれているという特徴を示す。

 

日本での失語症の検査では、(言語の各側面についての評価を網羅し標準化された、)標準失語症検査(SLTA)とWAB失語症検査が主に用いられている。

 

失語のシステムを表したものに、リヒトハイムの失語図式がある。

ウェルニッケ領野は聴覚言語中枢・ブローカ領野は運動言語中枢・角回近辺は概念意味中枢に対応すると考えれる。(このモデルは単純化されているが、今までの資料とかなり一致している。)

 

 

cf.

ウェルニッケ野は、カール,ウェルニッケ(Wernicke,C. )、ブローカ領野は、ピエール・ポール・ブローカ(Pierre Paul Broca)の名にちなんで名づけれている。

 

 

 

確認問題

[1]

ブローカ失語の特徴を簡潔に説明しなさい。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

[2]

下記の用語を簡潔に説明しなさい。

・aphasia

静岡大学大学院 人文社会科学研究科 臨床人間科学専攻)

 

 

解答

[1]

ブローカ領域の損傷によっておこる失語症であり、皮質性運動失語とも言われる。ことばを滑らかに話すことができないという発話の非流暢性が特徴である。

 

[2]

失語症は、一旦獲得した音声言語や文字言語を理解したり表出したりする能力の障害を後天的に生じるものである。