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ビネー式知能検査(Binet Intelligence Scale)

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ポイント

 

ビネー式知能テストはフランスの実験心理学者であるビネー(Alfred.Binet)が弟子で医師であるのシモン(Theodore.Simon)とともに開発した世界初の個別式知能検査である。当初は学業不振児童(精神遅滞・精神薄弱の児童)を判別するための客観的な知能測定法として開発された。ビネー式知能検査では、知能を要素に分解できない1つの一般知能と捉えている。テスト間題は難易度順に配列されており、何歳レベルの問題まで正解できたかで精神年齢(mental age:MA)を求める。ビネーの死後、アメリカのターマン(Terman, L. M.)によって「スタンフォード・ビネー検査」として標準化された。結果の算出は精神年齢を生活年齢(chronological age:CA)で割って100倍した知能指数(Intelligence quotient:I Q)を算出する。知能指数の考え方はドイツのシュテルンの創案によるが、IQの導入はターマンらのスタンフォード=ビネー知能検査からである。ただし1960年以降は、後述する偏差IQ(= DIQ)を採用している。

 

田中ビネーⅤは、IQ(知能指数)をMA/CA×100(MA:精神年齢、CA:生活年齢)にて算出する。

 

田中ビネーⅤの特徴は、14歳以上の場合は偏差知能指数(DIQ:Deviation IQ)を算出する点が以前の以前の版の田中ビネー式検査とは異なる点が特徴である。さらに、成人の知能の下位因子として、結晶性領域、流動性領域、記憶領域、論理推理領域の4領域を設定し、分析的に測定する。

 

  

確認問題

 [1]  

 ビネー式知能検査とウェクスラー式知能検査について、両者を比較しながらそれぞれの特徴を説明しなさい。また、それらの特徴を踏まえたうえで、臨床心理学的授助に適用する際の留意点について述べなさい。

昭和女子大学大学院 生活機構研究科 心理学専攻 臨床心理学講座)

 

[2]

 ビネーについて簡単に説明しなさい。

大阪市立大学大学院 生活科学研究科 生活科学専攻)

 

 [3]

田中ビネー知能検査について簡単に説明しなさい。

岐阜大学大学院 教育学研究科 心理発達支援専攻)

 

[4]

知能を測定する指標の算出法のうち1つを取り上げ、それがどのような考え方を背景としているかを述べなさい。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

[5]

下記の用語について簡潔に説明しなさい。

・intelligence quotient

静岡大学大学院 人文社会科学研究科 臨床人間科学専攻)

 

解答

[1] 

 ビネー式知能検査では、知能を1つの一般知能と仮定し測定する。テスト問題が難易度順に配列されており、何歳レベルの問題まで正解できたかで精神年齢を算出し、知能指数を算出する。年齢集団に対して知能が高いか低いかという相対評価が可能となるため、知的障害の診断と指導に役立てることができ、特別な支援が必要な子どもたち早期に発見し、最も適切な教育指導を作り出すことが可能となる。一方、ウェクスラー式知能検査は、知能の多因子構造を仮定している。そして、個人内の各知能を測定し、得意不得意とする知的領域の個人内の差を明らかにできる。そのため、限局性学習障害などの診断的知能検査として使用されることがある。

 ビネー式知能検査やウェクスラー知能検査を実施する段階での留意点として、クライエントの負担を配慮することが挙げられる。どちらのテストも所要時間が長いため、クライエントの負担は大きいと考える。特にクライエントが子どもの場合は集中力が途中でなくなることも予想される。クライエントの状況に応じて、実施を2回に分けるなどの配慮が必要になることもあるだろう。また、上記知能テストで測定した結果は、あくまでもテスト環境での結果であることにも留意する必要がある。実際の日常生活とは異なる環境でのテストの成績であるため、普段の実力とはまた異なることもあるだろう。そのため、知能検査の結果だけでクライエントの援助の方針を決定するのではなく、必要に応じて他のテストとバッテリーを組んだり、行動観察や親からの聞き取りをするなど、情報を多角的に収集し、クライエントの今後の臨床心理学的援助に適用するべきである。

 

[2] 

 ビネー(Binet、A.)は医師シモン(Simon、T.)とともにビネー式知能テストを開発した。これは、世界初の個別式知能検査である。当初は学業不振児童(精神遅滞精神薄弱の児童産)を判別するための客観的な知能測定法として開発された。ビネー式知能検査では、知能を要素に分解できない1つの一般知能と捉えている。

 

[3]

 1947年に、1937年版のスタンフォード・ビネー式をもとにして田中寛一(たなかかんいち)が作成したのが「田中びねー式智能検査法」である。その後、社会や子どもの状況の変化に合わせて問題の修正が重ねられて今の田中ビネー知能検査に至る。また、回答の正誤の判断ができない場合に再度質問を行う再質問という手続きを設定するなど、田中ビネー知能検査独自の改良も進められている。

 

[4]

知能を測定する指標の算出法の一つに、ビネー式知能検査がある。ビネー式知能検査では、知能を要素に分解できない1つの一般知能と捉えている。ビネー式知能検査は、総括的検査であり、テスト項目に回答できれば、その発達水準に発達していると評定し、「精神年齢」を算出するものである。測定した知能は比率IQと呼ばれ、知能指数IQ =「精神年齢MA」÷「生活年齢CA」*100として算出され、知能指数IQは、実年齢に対する精神年齢の程度(発達の割合)を表す。  

 

 [5]

知能指数は、知能の程度を数字で表したものである。田中ビネーⅤは、IQ(知能指数)をMA/CA×100(MA:精神年齢、CA:生活年齢)にて算出する。

 

 

 

 

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