ジョゾログ

世界一わかりやすい心理学

ー未来の心理職の為の知識・情報室ー

ヴント(Wundt,W.)

f:id:a-m-zyozo:20201031154919p:plain

f:id:a-m-zyozo:20200401103129p:plain

 


ポイント

 

1879年にヴントがライプチヒ大学に心理学実験室を創始したことにより、学問としての心理学が始まった。ヴントは要素主義を提唱し、ヴントの弟子のティチェナーが構成主義として、ヴントの意思を受け継いだ。ヴントはよく訓練された実験参加者に、自分自身の意識の内容を観察・報告させる内観法という方法を用いて、厳密に統制された条件下での意識の分析を行った。ヴントの提唱した構成主義はその後、行動主義、ゲシュタルト心理学精神分析といった多くの方面から批判を受けるが、これによって心理学の領域が拡大し、発展していくこととなる。

 

ヴントは高名な生理学者ヘルムホルツ(Helmholtz,H.L.F.von)の助手であったこともあり、実験と観察を用いた科学的な研究に長けており、実験と観察を意識の分析に持ち込んだ。

 

これまでの心理学の歩みとこれからの心理学が取り組むべき課題

 

 1879年にヴントがライプチヒ大学に心理学実験室を創始したことにより、学問としての心理学が始まった。20世紀初頭にはヴントの構成主義と対立する形で、行動主義、ゲシュタルト心理学精神分析が台頭することとなる。

 行動主義は、意識は外部から観察できない主観的な現象であることから構成主義を批判し、心理学が科学となるためには外部から客観的に観察できる行動を研究対象とするべきと主張した。行動主義はスキナーやハルに受け継がれ、行動療法や応用行動分析などの基礎となっている。

 ゲシュタルト心理学は、ウェルトハイマー、ケーラー、コフカらが心理現象の全体性を重視し、意識を構成要素の複合体だと考えるヴントの構成主義を批判した。心理現象全体が持つ特性は、それを構成する要素に還元することはできないので、一つのまとまりとしての全体で研究すべきと主張した。ゲシュタルト心理学の考えは、後の認知心理学社会心理学においても受け継がれ、それら心理学領域の発展に貢献している。

 ウィーンの精神科医であったフロイトは、人間の精神活動においては意識よりも無意識の方が重要な役割を果たしており、意識を分析するだけでは人間の心を深く理解することはできないと考えた。そこで、自由連想夢分析などの方法によって無意識の世界を探るための精神分析を創始した。フロイトの理論は性格心理学や臨床心理学の分野で重要な役割を占めている。

 心理学は心についての理論を作り、心の現象を説明できるようにすることが理論的な目標である。また、実際に役に立つ知見を作り出すことも必要である。悩みを持った人を助ける、教育について改善することはこれからの心理学が取り組むべき課題の一つであると考えられる。そのために、心の要素に注目する基礎的研究と、実践に役に立つことに知見を集約し総合する応用分野の両方を対比しながら、発展させる必要がある。

 

 

 

確認問題

 [1]

ドイツのライプチッヒ大学に、意識を構成するものとして、感覚や感情、観念(表象)を研究対象とし、心理学実験室を設立した人物名について正しいものを一つ選びなさい。

1. Wilhelm Max Wundt

2. William James

3. John Broadus Watson

4. van Petrovich Pavlov

5. Sigmund Freud

帝京平成大学大学院 臨床心理学研究科 臨床心理学専攻)

 

 [2]

心理学の独立の年は、(a)がライプチヒ大学に世界最初の心理学実験室を設立した(b)年とされている。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

[3]

心理学の研究法として、内観(内省)法は、(a)能力を持たないものを研究対象にすることができないなどの欠点があるため、ワトソンに代表される(b)は、思考など内的な精神活動の研究は極力せず、客観的に測定できる(c)のみを研究対象とした。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

解答

[1]

 

[2]

a. ヴント 

b. 1879年

 

 [3]

a:自己観察 b:行動主義 c:行動