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精神物理学 (psychophysics)

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ポイント

 

フェヒナー(Fechner, G. T.) /  ウェーバー(Weber, E.H.)

精神物理学はフェヒナー(Fechner, G. T.)によって提唱された。精神物理学は外的な刺激と内的な感覚の対応関係を測定し、また定量的な計測をしようとする学問である。つまり、心と身体との間の関係を数学的に明らかにすることを目的とする。ウェーバー(Weber, E.H.)の弁別閥に関する研究をもとに創始された。精神物理学の実験手法や精神物理学的測定法は、その後の実験心理学の成立に多大な影響を及ぼした。

 

 

 

 

下記に精神物理学において研究されたものを述べる。

  

閾 (threshold)/  弁別閾 (differential threshold)・丁度可知差異 (just noticeable differences)/  絶対閾・刺激閾(absolute threshold)

閾 threshold とは、ある感覚が生じたり、刺激の差異を感じたりするときの、境目にあたる物理的な刺激量のことである。閾には弁別閾(丁度可知差異)、絶対閾(刺激閾)がある。弁別閾 differential threshold(丁度可知差異 just noticeable differences)は刺激の強さ(量)の違いを感じる取るために必要な、最小限の刺激の物理量の違いのことである。絶対閾 absolute threshold はある刺激が生じるのに必要な最小限の刺激の物理量のことである。

 

また、刺激頂、主観的等価点も精神物理学で研究された。

 

フェヒナーが考案した古典的な感覚の測定法には、極限法、恒常法、調整法がある。

 

極限法

極限法は実験者が刺激のある属性を段階的に大きく(上昇系列)したり、小さく(下降系列)したりと変化させ、それを観察しながら実験参加者の等価判断などを求める方法である。弁別閾、刺激閾、触2点閾の実験で主に用いられる方法である。

 

恒常法

恒常法は実験者が決められた数の変化のある刺激をランダムな順序で各刺激を被験者に提示し、その刺激に対する被験者の判断を求め、被験者の判断が特定の変化をする点を決定する方法である。閾測定の場合、一定数の刺激対象を単独でランダムな順に多数回提示し,その存否の判断を求めたり、等価刺激測定の場合、一定数の比較刺激を用意し,標準刺激と対にして,ランダムな順序で多数回提示して,その大小 (長短あるいは軽重) の判断を行わせたりする 。

 

調整法

調整法は実験者があらかじめ決定しておいた数段階の刺激をランダムな順序でそれぞれ同回数反復呈示し、被験者が比較刺激の大きさを調整して、標準刺激に対する判断をする方法である。ミュラーリヤー錯視の実験で主に用いられる。

 

マグニチュード推定法 /  スティーブンス(Stevens, S. S.)

ティーブンスは被験者に感覚の大きさを数量的に推定させる方法であるマグニチュード推定法を考案した。

 

精神物理学の法則
ウェーバーの法則

ウェーバーの法則は ΔI(弁別閾)/ I(刺激量)=K(定数)(Kをウェーバー比と呼ぶ)と表される。これは弁別閥は原刺激の値に応じて比例的に変化することを示す。

 

フェヒナーの法則

フェヒナーの法則は    E(感覚量)=K(定数)log I(刺激強度)と表される。ウェーバーの法則に基づいてフェヒナーが提唱した。成覚量は刺激強度の対数に比例する。

 

ティーブンスの法則

ティーブンスの法則は E(感覚量)=K(定数)I^n と表される。マグニチュード推定法を用いた実験によって提唱した。感覚量は刺激強度のべき乗に比例する。刺激内容ごとに感覚と刺激の関係が変化することを数式的にまとめてある。これにより、痛みなどの測定困難な感覚が測定可能となった。目に見えない存在を数値化して、客観的に測定・分析を可能にするという現在の心理測定の基礎を築いた。

 

 

確認問題

 

[1]

以下の1〜4に入る最も適切な言葉を書きなさい。

( ① )とは、( ② )が提示され、次にそれより大きいあるいは小さい強度の刺激が提示されたとき、両者が異なる刺激であるとわかる最小の刺激変化量のことである。(①)を(②)の強度で割って得られる比はほぼ一定となり、この関係を(③)の法則という。(③)の法則に基づき、(④)は、感覚の大きさは刺激強度の対数に比例することを明らかにした。

関西大学大学院 心理学研究科 心理臨床専攻)

 

[2]

次の各項目の文章を読み、( )内に当てはまる用語を下の解答欄に記入しなさい。

 

・感覚の強さ(大きさ)の尺度を機成するため。Stevens,S.S.は、実験参加者に感覚の程度を直接数値で表現してもらう(     )という方法を考察した。

・( )は、弁別闘が刺激量に比例して変化することを表した法則である。

 

昭和女子大学大学院 生活機構研究科 心理学専攻 改題)

 

[3]

以下の文の空欄に適切な字句を記入し、文章を完成させなさい。

精神物理学的実験で、被験者が区別することのできる最小の刺激強度の差を( )と言う

名古屋大学大学院 教育発達科学研究科)

 

[4]

ウェーバーの法則(Weber's law)にしたがえば、100の刺激が110になったとき初めて「増加したと気づくとき、1000の刺激を増加したと気づかせるためにはいくつの刺激にする必要があるか。その最小値を選びなさい。

淑徳大学大学院 総合福祉研究科 心理学専攻)

 

1. 1010

2. 1100

3. 2200

4. 11000

5. 1200

 

 [5]

恒常法について簡単に説明をしなさい。

(中京大学大学院    心理学研究科   臨床・発達心理学専攻)

 

[6]

実験者が刺激の物理量をだんだん上昇(下降)させ、実験参加者の知覚の変化(見えたか見えないかなど)をとらえる方法を( )という。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

 

解答

 

[1]

1、弁別閾

2、標準刺激

3、ウェーバー

4、フェヒナー

 

[2]

マグニチュード推定法

ウェーバーの法則

 

[3]

弁別閾

 

[4]

 

[5]

実験者がランダムに刺激の大きさを変化させ、その刺激に対する被験者の判断を求め、その判断が特定の変化をするところを決める方法である。

 

[6]

極限法