図と地(figure and ground)・群化(grouping)
ポイント
図と地(figure and ground)
何かを見たとき、ある視覚領域は前面に浮かび上がって見え、他の視覚領域が背後の背景として見えることがある。この場合、前面に浮き上がって知覚される領域を図(figure)、後方に背景として知覚される領域を地(ground)と呼ぶ。図と地のなりやすさの要因は、ゲシュタルト心理学領域で研究された。人は視野において何らかの「形」を認識するためには、「図」と「地」を分化して知覚することが必要ある。
群化(grouping)・(知覚的体制化 Perceptual organization)
視野内に複数の刺激が存在するときに、まとまりを持ったものとして知覚する傾向のこと。星空を見て、実際にはランダムにちらばっている星に北斗七星などの「星座」を見ること。
プレグナンツの法則
まとまりの要因に基づいて、もっとも簡素で秩序のある形を知覚する傾向のことをいう。ゲシュタルト心理学者のヴェルトハイマーが提唱した。まとまりの要因には次に挙げるような法則がある。
まとまりの要因には、近接の要因、類同の要因、閉合の要因、よい連続の要因などがある。
確認問題
括弧に適切な語句を入れなさい。
図形を見るとき、視野の中では図と( a )が分化するだけでなく、図が互いにまとまりを作る。これを( b )という。ウェルトハイマー(Wertheimer、M.)は、このような体制化の過程が秩序のある知覚世界を成立させているとしている。このまとまりを決定する要因を( c )要因といい、例えば「近接の要因」、「閉合の要因」などが挙げられる。
(京都ノートルダム女子大学大学院 心理学研究科 臨床心理学専攻)
解答
a 地
c 群化