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自己若年視 younger Identity

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自己若年視とは、主観年齢を実年齢より若くとらえること。主観年齢は、他者の顔画像が自分より年上か年下かを判断する相対的年齢比較課題の評定値が、実際の年齢差に対して示した分布データから求められた。先行研究では、日本人、韓国人および米国人の実験参加者において主観年齢が総じて実年齢より若くなることが確認された。この自己若年視傾向が生起した要因としては、(1)自己の顔の蓄積記憶による自己顔イメージの若年方向への牽引の要因と、(2)社会心理的な要因の2つの可能性が考えられた。本研究では、特に(1)の顔の蓄積記憶による牽引の要因について検討するため、旧知(兄弟姉妹)と未知の他者顔の相対的年齢比較課題を実施した。兄弟姉妹については過去に遡って顔の記憶が存在するため、自己と同様に顔の蓄積記憶による牽引が生じると考えられた。結果より、未知の他者顔に比べて、旧知の顔を若年視する傾向が確認された。

 

<参考文献>

https://ist.ksc.kwansei.ac.jp/~nagata/data/katahira_2013_JFACE13-1pp75-85.pdf