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ヴィゴツキー(Vygotsky, L. S.)/ 発達の最近接領域(zone of proximal development)

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ポイント

 

ロシアの心理学者ヴィゴツキーは、何らかの課題解決中に子どものひとりごとが増加することに注目した。

 

大人は、内的な発話 (内言) を用いて思考する。 彼は子どもの自己中心的発話も、思考の道具としての内言の機能を持つと考えた。

ヴィゴツキーは、自己中心的発話を、ピアジェのいうように非社会的なものではなく、社会的言語(声に出してコミュニケーションの道具として用いられる言語)である外言から内言への過渡期にあるもの、形は外言であるが機能は思考の手段としての内言と同様のものと位置づけている。

 

また、

「現在達成している発達水準」から、「おとなの援助によって達成可能な発達水準」までの発達領域のことを、ヴィゴッキーは「発達の最近接領域」と呼んだ。「発達の最近接領域」とは、子どもがある事柄を解決しようとする際、自力では達成できないが、おとなの援助や協力を得ることで達成可能な発達水準、領域のことである。

 

ヴィゴツキーが主張する発達のメカニズムの根幹は、子どもと環境の相互作用に対する大人の媒介的活動の必要性である。

 

 

cf.

言語にはコミュニケーションの道具としての伝達機能がある。

他者とのコミュニケーションのための言語を外言という。

一方、音声を伴わない思考のための言語を内言という。

 

ピアジェは幼児の発話の特徴として、自己中心的発話をあげている。

自己中心的な発話は反復·ひとりごと·集団的ひとりごとを含んでおり、いずれも伝達の意図はない。

ピアジュは自己中心的な言語が次第に社会化されていく中で、他者への伝達を目的とした社会的言語が発達すると考えた。

 

 

確認問題

[1]

Vygotsky, L. S.は、子どもが自カで問題解決できる現時点での発達水準と、他者からの援助があって解決できる潜在的な発達水準のずれの範囲を、発達の( 1 )によって説明した。また、( 2 )は、発達の( 1 )において大人が行う援助を、足場かけとよんだ。

東京学芸大学大学院 教育学研究科 教育支援協働実践開発専攻 臨床心理学プログラム)

 

解答

[1]
1、最近接領域
2、Bruner,J.S.