ポイント
ストレンジ・シチュエーション法はエインズワース(Ainsworth, M. D.)が行った実験法で、子どもの愛着の型を分類する方法。新奇な実験室において、①母子同室場面、②見知らぬ女性の入室場面、③母親の退出・見知らぬ女性との同室場面、④母親との再会場面などを子どもが経験する。その状況において、母親の退出や母親との再会においてどのような反応を示すかで愛着のタイプを以下の4つに分ける。
安定型・B型(Secure)
母親を求めて感情的な行動を取り、母親との再会で落ち着く安定した愛着である。安定型の親は、子どもの欲求や状態の変化に敏感であり、子どもとの相互作用が調和的である。
回避型・A型(Avoidant)
無関心な回避的行動を示す不安定な愛着である。親との分離に際して反抗したり泣いたりすることもなく、見知らぬ人ともある程度の相互作用が起こる。親と再会しても、親から目をそらすなど、回避的な行動が見られる。回避型の親は全般的に子どもの働きかけに対して否定的にふるまい、子どもの行動を統制しようとする関わりが多い。
アンビヴァレント型・C型(Ambivalent)
いつまでも機嫌が直らない不安定な愛着である。子どもは親との分離に際して激しい抵抗と不安を示す。アンビヴァレント型の親は、子どもの信号に対する応答性が低く、応答がずれたり一貫性を欠いたりすることが多い。
無秩序型・無方向型 D型(Disorganaized)
上記の3タイプへの分類不可能なタイプである。1990年代にMain&Solomonによって追加されたタイプ。親との再会場面で、後ずさる、突然すくみ、親対する怯えなど、親への接近に矛盾した不可解な行動を見せる。無秩序・無方向型の親は、子どもに取って理解不能な行動を突然とることがあり、結果として子どもに恐怖感をもたらしていることが多い。
アタッチメントタイプDの子どもは、ストレンジ・シチュエーション実験における親子再会場面において、本来は両立しない近接と回避といった行動システムが活性化されるような動きが認められる。
確認問題
[1]
エインズワースは愛着のを測定するためにストレンジ・シチュエーション法と呼ばれる実験室的方法を用いて研究を行った。この研究についての説明について、適切なものを一つ選びなさい。
1.見知らぬ大人の入室と母子分離によって乳児に段階的にストレスをかけ、母子分離場面に見られる母親の反応を観察するというものである。
2.安定型は、母親と一緒の場面でも接触しようとせず、分離時にも悲しみを示さない。
3.回避型は、母親分離場面でも再開場面でも激しく泣き抵抗する。
4.エインズワースは、回避型とアンピヴァレント型の乳児を不安定な愛着を示しているとした。
5.日本では回避型の乳児が最も多い。
(帝京平成大学大学院 臨床心理学研究科 臨床心理学専攻)
[2]
括弧にあてはまる適切な専門用語を答えなさい。
Ainsworth, M.らは、乳幼児期の母子間の情愛的結びつきの質を観察し、測定するために(1)という実験方法を開発した。
(東京成徳大学大学院 心理学研究科 臨床心理学専攻)
[3]
子どもと養育者などとの間に形成される情緒的な粋のことを、アタッチメントという。アタッチメントを測定する方法として、(1)法が考案されている。
(東京学芸大学大学院 教育学研究科 教育支援協働実践開発専攻 臨床心理学プログラム)
[4]
ストレンジ・シチュエーション法とは、何を調べるためのものか。またどのような場面が設定され、その場面におけるどういった反応を主に観察するのか論じなさい。
(名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)
[5]
下記の用語について簡単に説明しなさい。
・アタッチメントスタイル
(静岡大学大学院 人文社会科学研究科 臨床人間科学専攻)
解答
[1]
4
[2]
1、ストレンジ・シチュエーション法
[3]
1、ストレンジ・シチュエーション法
[4]
ストレンジ・シチュエーション法はエインズワース(Ainsworth, M. D.)が行った実験法で、子どもの愛着の型を調べる方法である。①母子同室場面、②見知らぬ女性の入室場面、③母親の退出・見知らぬ女性との同室場面、④母親との再会場面などを設定する。母親の退出や母親との再会においてどのような反応を示すかを観察する。
[5]
子どもと養育者などとの間に形成される情緒的な絆のことを、アタッチメントという。そのスタイルに安定型(Secure)回避型(Avoidant)アンビヴァレント型(Ambivalent)無秩序型・無方向型(Disorganaized)がある。アタッチメントスタイルを測定する方法として、ストレンジ・シチュエーション法がある。