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馴化ー脱馴化法(habituation-dishabituation method)/ 選好注視法(preferential looking method)

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ポイント

 

乳児を対象にした知覚実験をする場合、馴化一脱馴化法という手法が使われることが多い。この手法を使って、生後1か月、4か月の乳児に特定の刺激を繰り返し提示し、馴化させた後に、同じ刺激を再度提示する群と異なる新しい刺激を提示する群をつくり、両群の反応を比較した新しい刺激に対して脱馴化が生じれば、二つの刺激を区別しているといえる。

 

対象の永続性

ある対象が隠されて視界から消えても相変わらず存在し続けるということを理解すること。

 

選好注視法は、乳幼児の知覚を関べるため、定位反応を利用した実験法。乳児が2つの刺激のどちらを注視するかを観察することにより乳児の知覚の傾向を測定する。例えば、ファンツの選好注視法を用いた実験では、乳児は人の顔にような模様を他の模様よりも注視する時間が長いことを明らかにした。

 

 

 

確認問題

[1]

(    )にあてはまる最も適切な語を記入しなさい。

乳幼児における知覚実験手法の中で、2つの図形を対にして提示し、それぞれの図形への注視時間を測定する手法を( 1 )という、また、同一図形だけを提示し続けることで、その図形に飽きを生じさせ(注視時間の減少)、次に新奇な図形を提示した場合の注視時間の回復を測定する手法を( 2 )という。

東京学芸大学大学院 教育学研究科 教育支援協働実践開発専攻 臨床心理学プログラム)

 

[2]

児期の発達に関する代表的な研究法として、①選好注視法(preferential looking method)、②馴化ー脱馴化法(habituation-dishabituation method)が挙げられる。この2つの研究法について、具体的に実験例をあげて説明しなさい。

愛知淑徳大学院 心理医療科学研究科 心理医療科学専攻 臨床心理学専攻コース)

 

[3]

乳児が「いない・いない・ばあ」の遊びで驚いた反応を示すのは(1)をまだ獲得していないからだと考えられる。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

解答

[1]

1、選好注視法

2、馴化ー脱馴化法

 

[2]

①選好注視法とは、同時に二つの刺激を乳児に提示し、どちらの刺激をより長く注視するかを観察することで、乳児の知覚の好みといった特徴を明らかにする方法である。この選好注視法を使った研究例として、ファンツの研究が挙げられる。ファンツは、乳児に対して、色のついた丸、二重丸、英字新聞の文字が書いてある丸、人の顔のように見える丸といった刺激を乳児に提示し、どれを一番注視するかを観察した。その結果、乳児は単純な刺激よりも複雑な刺激を好んで注視し、また最もよく注視したのは人の顔に見える刺激であることが明らかになった。

 

②馴化一脱馴化法は、同じ刺激を継続して見ていると注視時間といった定位反応が減少するという馴化が生じるが、その後で別の新奇刺激を提示すると定位反応が復活する脱馴化が生じる。この馴化と脱馴化という反応を利用して、乳児の刺激に対する特徴を理解するために行う研究法が馴化脱馴化法である。例えば、1つのぬいぐるみを提示したあと、仕切りでぬいぐるみが見えなくするそしてしばらくした後また仕切りを取り去ると、ぬいぐるみが消えていた、という一連の刺激を乳児に見せたときに、ぬいぐるみが消えたときに脱馴化が生じるかを観察する実験がある。この場合、数か月の乳児でもぬいぐるみが消えると脱馴化法が生じ注視時間が回復するという結果から、対象の永続性を実証的に示唆することができた。

 

[3]

1、対象の永続性(object permanence)