Y-G性格検査
ポイント
ギルフォード(Gilford , J. P.)の人格特性理論に基づき、矢田部達郎によって作成された質問紙法の性格検査である。因子分析によって12の下位尺度を設けて下位尺度ごとに10問が作られ、計120間の質問項目から構成される。
算出された系統値から、プロフィールの典型(類型・タイプ)を導き出せる。5つの典型はA型、B型、C型、D型、E型が存在する。
実施が簡易であり多面的な診断が可能であるため、広く用いられている。しかし回答者の意図的な反応歪曲に弱いという欠点がある。
確認問題
[1]
括弧に入る最も適切な語句を答えなさい。
(1)検査は、A型、B型、C型、D型、E型の類型レベルで判定をされる。
(帝塚山学院大学院 人間科学研究科 臨床心理専攻)
[2]
パーソナリティや自我状態に関する心理検査について、正しいものを1つ選べ。
① MASは、多面的にパーソナリティを測定する検査である。
② IATは、顕在的意識レベルの自尊心の個人差を測定する検査である。
③ NEO-PI-Rは、パーソナリティの6つの次元を測定する検査である。
④ 東大式エゴグラムは、被験者の自我状態をP、A又はCの3タイプのいずれか1つに分類する検査である。
⑤ YG性格検査は、パーソナリティの12の特性を測定する120項目への反応を通して被験者を典型的な型に分類する検査である。
(公認心理師試験 第1回 問8)
解答
[1]
1、Y-G性格検査
[2]
5
① 顕在性不安尺度(MAS:Manifest Anxiety Scale)は、65項目からなる、身体的不安・精神的不安を含めた不安のスクリーニングテスト。
② 潜在的連想テスト (IAT:Implicit Association Test)は、様々な社会的現象に対する本人の自覚しない認知傾向や社会的態度を測定するテスト。
③ NEO-PI-R(Revised NEO Personality Inventory)は、人格を5つの次元から把握する人格検査。N:神経症傾向 、E:外向性、O:開放性、A:調和性、C:誠実性。5つの次元はさらに、6つの下位次元で構成される。
④ 東大式エゴグラムは、エリック・バーンの交流分析の理論を応用し、人の心を5つ(CP(父親的なP)、NP(母親的なP)、A、FC(自由なC)、AC(順応したC))に分類し、各傾向の強さを測定する。これにより人の性格を診断する。