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ミネソタ多面人格目録(MMPI:Minnesota Multiphasic Personality Inventory)

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ポイント

ミネソタ大学のハサウェイ(Hathaway、S.R.)とマッキンレー(McKinley、J. C.)によって完成された、精神医学的診断の客観化を目的として開発された質問紙法の性格検査である。

550間の質問項目からなり、「臨床尺度」「妥当尺度」、そして多数の「追加尺度」から構成される。

質問数の多さ、尺度の詳細性において、信頼性が高い性格検査の1つである。

また、虚偽尺度(lie scale)を置くことで回答者の意図的な歪曲反応を防止している。

 

妥当性尺度

?尺度

どちらでもないと答えた数。30個以上で妥当性に疑問が生じるとされる。

L尺度

自分を社会的に望ましい方向にみせようとしているかしないかを調べる尺度

F尺度

通常では起こりえない内容(出現率10%以下)にはいと答える頻度を調べる尺度

K尺度

受検態度が欺瞞的か、または防衛的であるかを調べる尺度

 

臨床尺度

 

第1  Hs尺度 心気症

高得点:心気的、身体不調を訴えることによる他者操作。

低得点:楽観的

 

第2  D尺度 抑うつ

高得点:抑うつ

低得点:社交的

 

第3  Hy尺度 ヒステリー

高得点:身体症状による責任回避、洞察欠如、未熟で表面的

低得点:萎縮して周囲に同調的

 

第4  Pd尺度 精神病質的偏倚

高得点:反社会的または非社会的な反抗ち敵意

低得点:受動的・同調的

 

第5  Mf尺度 男性性・女性性

高得点:(男性)女性的な性格や態度、受動的で主張が乏しい(女性)女性らしさにこだわりがない

低得点:(男性)男らしい男にこだわるが、男らしさへの自信はない(女性)女らしい女にこだわる

 

第6  Pa尺度 パラノイア

高得点:猜疑心や独善傾向

低得点:適応的か、対人的に過敏かどちらか

 

第7  Pt尺度 精神衰弱

高得点:緊張感・不安感が強い(劣等感、不確実感、自己批判的が高い)

低得点:情緒安定、自分に満足

 

第8  Sc尺度 統合失調

高得点:奇妙で風変わり(エキセントリック)、疎外感

低得点:現実的

 

第9  Ma尺度 軽躁

高得点:活動性が高い、衝動的

低得点:活動性が乏しい

 

第0  Si尺度 社会的内向

高得点:内向的

低得点:社交的

 

 

MMPI-3

 

妥当性尺度 10尺度
CRIN / VRIN / TRIN
F / Fp / Fs / FBS / RBS / L / K
回答の妥当性を検証するための尺度です.


高次尺度 3尺度
EID / THD / BXD
因子分析により明らかになった感情,思考,行動の3つの高次領域について測定する尺度です.


再構成臨床尺度 8尺度
RCd / RC1 / RC2 / RC4 / RC6 / RC7 / RC8 / RC9
original MMPIの臨床尺度をベースに,MMPI-2において再構成された臨床尺度を引き継いでいます.デモラリゼーション,身体的愁訴,被害念慮などの尺度があります.


特定領域の問題尺度
最も具体的な尺度群で,4カテゴリーに分かれています.
1.身体的・認知機能尺度 4尺度
  MLS / NUC / EAT / COG
  身体的不調・摂食の問題などの尺度があります.
2.内在化尺度 10尺度
  SUI / HLP / SFD / NFC / STR / WRY / CMP
  / ARX / ANP / BRF
  自殺念慮・ストレス・強迫性などの尺度があります.
3.外在化尺度 7尺度
  FML / JCP / SUB / IMP / ACT / AGG / CYN
  物質乱用・衝動性・攻撃性などの尺度があります.
4.対人関係尺度 5尺度
  SFI / DOM / DSF / SAV / SHY
  支配性・社交回避などの尺度があります.


パーソナリティ精神病理5尺度 5尺度
AGGR / PSYC / DISC / NEGE / INTR
精神病理に焦点を当てたパーソナリティの5因子モデルと関連する尺度です.

 

 

 

確認問題

 [1]

正しい組み合わせを選びなさい。

a 内田クレペリン精神検査-作業検査法

b YG(矢田部ギルフォード)性格検査-作業検査法

c ロールシャッハ・テスト-質問紙法

d MMPI(ミネソタ多面人格目録)-質問紙法

e WAIS(ウェクスラー成人知能検査)-投影法

駒沢女子大学大学院 人文科学研究科 臨床心理学専攻)

 

解答

[1]

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