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パーソナリティ障害(PD:personality disorder)

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ポイント

 

パーソナリティ障害とは、思考・感情・行動などのパターンが平均からいちじるしく逸脱し、自分または周りの人が苦しむような状態のことを指す。

 

精神科での治療(対応)として、抑うつ症状や不眠状態、不安などの訴えに対しては向精神病薬を処方することができる。

もしくは各種の心理療法による心理面、行動面への介入も可能である。

しかし、パーソナリティは生活史の中で少しずつ形成されたものであるため、根底から変化させることは困難であることが多い。

直面している生活上の困難を一つずつ改善し、適応的な生活を支援することが有効となることが多い。

心理療法としては支持的精神療法、認知行動療法精神分析的精清神療法などの効果があると言われている。リネハン(Linehan、M.M.)が創始した弁証法的行動療法は境界性パーソナリティ障害に特化した心理療法である。

 

A群

風変わりな考え方や行動が主な特徴統合失調症とよく似た症状がみられる。人格のくずれが感じられる。

 

妄想性パーソナリティ障害

疑い深い傾向がある。周囲の出来事や人の行動を自分に対して悪意があると解釈したりする。

ゾイドパーソナリティ障害

以前は「統合失調症質パーソナリティ障害」と呼ばれていた。社会への関わりが薄く、感情を示すことがあまりない。

統合失調症パーソナリティ障害

人との関係を築くことが苦手である。ものの捉え方や考え方が奇妙で現実離れしていることが多い。

 

 

B群

感情が激しく、不安定なタイプ。移り気で行動も劇的なため、周囲の人が巻き込まれやすいパーソナリティ障害である。自分を見て欲しいとする激しい行動を示す。

 

反社会性パーソナリティ障害

倫理観や道徳観が薄く、問題行動を起こしやすいパーソナリティ障害。

境界性パーソナリティ障害

周囲に依存し、周囲が支えきれなくなると、激しい対応を示すタイプである。

演技性パーソナリティ障害

自分が悲劇の主人公であると思いたがり、他人の注目をひくための行動を繰り返す。

自己愛性パーソナリティ障害

他人を思いやることが乏しく、自己を誇示し、賞賛を集めることを求める。

 

 

C群

不安や恐怖が強いタイプのパーソナリティ障害。また、受動一攻撃性パーソナリティ障害やその他の分類不能なパーソナリティ障害もこの群に含まれる。

 

回避性パーソナリティ障害

問題があった時に、立ち向かっていくのでなくて、避けてやりすごすパターンを繰り返す。

依存性パーソナリティ障害

自分で何かを決めたり、判断することができず、いつでも決断を他人任せにする。

強迫性パーソナリティ障害

完壁主義で、自分の決まりや手順に固執する。

 

援助方法 

パーソナリティ障害の援助方法として、力動的精神療法や認知行動療法など様々な介入が試みられている。また、境界性パーソナリティ障害に対してはリネハンの開発した弁証法的行動療法などもあるまたパーソナリティ障害には、少量の薬物療法心理療法の併用も効果があると言われている。支援に際しては、その援助が依拠する理論的立場がどのようなものであれ、援助者はクライエントに情緒的に巻き込まれないように留意しなければならない。特に境界性パーソナリティ障害などでは援助者への投影性同一視などの原始的防衛機制によって、援助者とクライエントの関係は非常に激しく不安定なものになることがある。このようなクライエントによる関係性の操作に巻き込まれないよう留意つつも、クライエントに対する共感的理解や受容に心がけるべきである。また、概してパーソナリティ障害の援助には長期間に渡る傾向があるが、結果を急ぐことなく、クライエントのパーソナリティのスタイルを少しでも適応的な形へと変化するよう援助することが求められる。

 

 

確認問題

 [1]

(1)パーソナリティ障害とは、利己的で他人の気持ちや迷惑を考えることができず、社会のルールや法律に反する行為を平気で行うことで特徴づけられる。

目白大学大学院 心理学研究科 臨床心理学専攻)

 

[2]

パーソナリティ障害について説明しなさい。また、心理学的援助を行う際の留意点について述べなさい。

昭和女子大学大学院 生活機構研究科 心理学専攻)

 

 

 

 

解答

[1] 

1、反社会性

 

[2]

パーソナリティ障害パーソナリティ障害とは、思考、感情、行動などのパターンが平均からいちじるしく逸脱し、自分または周りの人が苦しむような状態のことを指す。DSMでは、パーソナリティ障害をA群、B群、C群の3つに分類している。A群とは奇異で普通でない行動を示す群である。妄想性、シゾイド、失調型パーソナリティ障害の3つが含まれる。統合失調症のそれほど深刻ではない症状との間に類似性がある。B群とは派手で突飛な行動を示す群である。境界性性、演技性、自己愛性、反社会性パーソナリティ障害がここに含まれる。C群とは不安や恐怖に関連する行動を示す群である。ここには回避性、依存性、強迫性パーソナリティ障害が含まれる。対人恐怖、甘え、ワーカホリックなどと関連があり、日本文化との親和性が比較的高いと考えられる。

 

心理学的援助を行う際の留意点パーソナリティ障害の援助方法として、力動的精神療法や認知行動療法など様々な介入が試みられているがその援助が依拠する理論的立場がどのようなものであれ、援助者はクライエントに情緒的に巻き込まれないように留意しなければならない。特に境界性パーソナリティ障害などでは援助者への投影性同一視などの原始的防衛機制によって、援助者とクライエントの関係は非常に激しく不安定なものになることがある。このようなクライエントによる関係性の操作に巻き込まれないよう留意しつつも、クライエントに対する共感的理解や受容に心がけるべきである。また、概してパーソナリティ障害の援助には長期間に渡る傾向があるが、結果を急ぐことなく、クライエントのパーソナリティのスタイルを少しでも適応的な形へと変化するよう援助することが求められる。