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神経発達症(Neurodevelopmental disorder)の概説と心理的支援

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ポイント

 

神経発達障害(Neurodevelopmental disorder)

発達障害は、脳機能(認知)の障害である。親の育て方やしつけが原因でもない。見聞きしたものを理解し、記憶する、過去の経験に照らして、計画を立てて行うといった、脳のさまざまな機能のことを「認知機能」と呼ぶ。発達障害がある子どもの脳にはこの認知機能に、かたよりがあることがわかっている。

神経発達障害とはDSM5の大カテゴリーの一つで、その下のカテゴリーに「知的能力障害」「コミュニケーション障害」「自閉症スペクトラム障害」「注意欠陥・多動性障害」「限局性学習障害」「運動障害」「他の神経発達障害」がある。

 

 

神経発達症(Neurodevelopmental disorder)の主な精神疾患

 

知的能力障害(Intellectual  Disability)

 一般に知能指数(IQ)が平均値よりも2標準偏差分低いことを基準としている。ウェクスラー式知能検査において知能指数は平均100、標準偏差15の正規分布となるよう設定されているため、2標準偏差分低い値は70となる。この70という数値が知的障害を判断する基準の一つである。知能指数は参考で、学力、社会性、生活自立能力などの具体的な実生活状況から判断する。

 

自閉症スペクトラム障害ASD:Autism Spectrum Disorder)

 

 

 

注意欠如/多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit / Hyperactive Disorder)

 

 

限局性学習症 (SLD:Specific Learning Disorder)


 

 

発達障害への心理的支援

応用行動分析(ABA:Applied Behavior Analysis)

 

 

1966年にアメリカのエリック・ショプラー(Schopler, E)らを中心とし、開発・研究されてきた自閉スペクトラム症の人のための治療教育プログラムである。

ASDの人は環境に与えられている一般的な意味を理解できず、混乱してしまうことがある。そこでTEACCHは教育や生活などの場を視覚的または物理的に構造化することで、ASDの人が社会に適応することを助けようとする。

 

 

アレントレーニング(parent training)


 

認知行動療法(CBT:Cognitive behavioral therapy)

 

 

他の神経発達障害群への介入方法 

療育(rehabilitation of disabled children)

行動療法的アプローチを基本とし、適応行動を学習していく。そのなかで、ASD児の個々の特徴に合わせて暮らしやすい環境を作り、適応力を育てていくことで、困難を軽減していく。

 

神経発達障害の子供を持つ保護者への支援

神経発達障害の子供を持つ保護者へは、発達障害がどんな障害なのかという病気についての知識の提供、発達障害児に対するしつけや対応の仕方、発達障害児に対する療育をする機関の情報、発達障害児を持つことに対する心理的・情緒的悩みへの心理的支援が必要となる。

 

 

 

確認問題

 [1]

発達障害児を持つ保護者の支援ニーズにはどのようなものが考えられるか。主なものを4つあげ、心理学の立場からの支援の要点をまとめなさい。

神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 人間発達専攻)

 

[2]

アメリカ精神医学会が2013年に発表した精神疾患の診断基準では、各疾患の診断基準が示されているSectionIIの冒頭に神経発達症群が示されている。この項日の中には、次の疾患カテゴリーが含まれる。それぞれの診断基準の概要を1994年に発表された前版から変更された点(名称を含む)に触れながら説明しなさい。1)知的能力障害、2)自閉スペクトラム症、3)注意欠如、多動症

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

解答 

[1]

発達障害児を持つ保護者の支援ニーズには、病気についての知識の提供、しつけや対応の仕方、発達障害児に対する療育をする機関の情報、親のもつ心理的・情緒的悩みへのカウンセリングがある。病気についての知識の提供に関しては、親の育て方やしつけが原因でなく、発達障害が子供の脳の機能の障害であることを伝える必要がある。しつけや対応の仕方については、行動療法の基づいた日常生活の指導やペアレントレーニングなどをおこなうのが望ましい。発達障害児に対する療育をする機関の情報については、親が一人で問題を抱え込んでしまわないように、適切な専門的な機関の情報を提供する必要がある。親のもつ心理的・情緒的悩みへのカウンセリングに関しては、母親自身の性格傾向や周囲の援助のあり方とそれに対する母親の受け止め方に十分に配慮し、母親が自分の子どもの歪みや偏りをありのままに見据え理解できるようにしていく必要がある。

 

[2]

知的能力障害は、DSM-5ではIQ値による下位分類は廃止され、概念、社会関係、実生活の状態像による臨床的な社会生活能力の総合判断により、軽度、中等度、重度、最重度の4つに分類される。 自閉スペクトラム症は、これまで、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害は広汎性発達障害という名称が用いられてきた。広汎性発達障害DSM-Ⅴから自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害という名称に変更され、自閉症障害、アスペルガー障害という名称も自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害に一本化された。障害の特徴として、第1に社会的コミュニケーションや社会的関係における持続的な欠陥、第2に興味または活動の限局、常同行動の反復、第3に症状は発達初期段階から認められていること、第4に症状が社会的・職業的または他に機能している重要な領域に支障を及ぼしていること、の4つすべてを満たす場合に診断される。 ADHDDSM-ⅠVの広汎性発達障害に含まれていなかったが、DSM-5による診断基準の神経発達障害のカテゴリーにADHDが追加された。不注意、多動性/衝動性の持続的な症状の所見として、各症状が6ヵ月以上にわたって持続していること、小児の場合、不注意症状、多動性/衝動性のそれぞれで6つ以上の症状を認め、思春期および青年(17歳以上)については5つ以上の症状を認めるといわれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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