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心的外傷後ストレス障害(PTSD:posttraumatic stress disorder)

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ポイント

 

心的外傷後ストレス障害PTSD:posttraumatic stress disorder)

心的外傷後ストレス障害PTSD)は、事故や震災といった強烈なトラウマ体験により、強い恐怖感、感覚の麻療やフラッシュバック睡眠障害などの症状が1ヶ月以上続く状態をいう。

 

その人の生命や存在に強い衝撃をもたらす出来事を外傷性ストレッサーと呼び、その体験を外傷(トラウマ)体験と呼ぶ。

 

症状となるポイントは、トラウマ体験を繰り返し思い出してしまう「外傷体験の反復想起(再体験)」、その結果として緊張状態が続く「過覚醒」、そして外傷体験を想起させる刺激からの「回避」、誰も信じられない、世界は危険だといった否定的な認知や、ポジティブ感情が経験されないという「感情と認知の否定的変化」の4つである。

 

PTSDの治療

 

治療においては薬物の使用や行動療法、認知行動療法EMDRなどの効果が認められる。

 

a-m-zyozo.hatenablog.com

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cf.

心的外傷後成長(posttraumatic growth

 心的外傷後の成長とは、トラウマ的な人生の出来事の後の正の人格変化を指す。外傷性の出来事を経験することは、特定の個人の人格に変革的な役割を果たすことができ、成長を促進することができる。たとえば、トラウマを経験した個人は、より大きな楽観主義、ポジティブな影響、ソーシャルサポートへの満足、およびソーシャルサポートリソースの数の増加を示すことが示されている。

 

 

確認問題

[1]

 心的外傷後ストレス障害PTSD)の基本的症状は、精神的不安定による不安や不眠などの過(1)症状、原因となった出来事に関連する事物や場所などに対する(2)傾向、出来事や体験などの一部あるいは全体にかかわる(3)であり、これらの症状が、危うく死ぬまたは重症を負うような出来事の後(4)以上持続している場合にはPTSD、それ未満の場合に急性ストレス障害ASD)と診断する。

(法政大学大学院 人間社会研究科 臨床心理学専攻)

 

[2]

 PTSD(心的外傷後ストレス性障害)について、(1)〜(3)の問いに答えなさい。

(1)原因となる極度のストレスのタイプを3つ挙げよ。

(2)主要な症状を3つ挙げよ。

(3)トラウマへの心理療法においては、トラウマ体験の再現について、「トラウマ体験を表現することは治療必要である」という視点と、「トラウマ体験を表現することは危険であり反治療的である」という視点の2つの方向性が存在する。この点に関してあなた自身の考え方を述べなさい。

明治大学大学院 文学研究科 臨床人間学専攻)

 

[3]

posttraumatic growthについて説明しなさい。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

[4]

PTSDとは何か。日本語に訳して、内容を具体的に説明しなさい。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

解答

[1]

1、覚醒
2、回避
3、フラッシュバック
4、1ヶ月

 

[2]

 

(1)

PTSDを引き起こしうる経験として、戦争被害、災害、性的被害が極度のストレスのタイプとしてあげられる。その経験によって強い恐怖、無力感、戦慄を自覚することがPTSDの原因とされている。その人の生命や存在に強い衝撃をもたらす出来事を外傷性ストレッサーと呼び、その体験を外傷(トラウマ)体験と呼ぶ。

 

(2)

 

「再体験」「回避」「過覚醒」が主要な症状である。再体験とは、恐怖を与えた出来事を今まさに経験しているような感覚を持つことであり、フラッシュバック、悪夢といった形で現れる。回避とは、その出来事自体を抑圧的に思い出さなくなること、あるいはその出来事に関係する事象への接近を回避することである。過覚醒とは、過度の警戒反応や驚得反応、感情的な混乱や不眠など、心身が常に極度の緊張状態に置かれることである。

 

(3)

 

 PTSDも不安障害の一種であり、治療においては薬物の使用や行動療法、認知行動療法EMDRなどの効果が認められる。行動療法としてはエクスポージャーなどの技法が用いられるため、「直面化」が必要となる場合が多い。この場合、クライエントは恐怖を発生させる刺激に直面することにより、当時のような危険のないことを学習し、各症状を制御できるようになる。一方、恐怖の程度が著しい場合、トラウマに直面することなく、症状の緩和に焦点を当てる「安定化」が有効とされる。この場合、薬物による症状のコントロールに加え、ストレス免疫訓練など通じ、ストレスに対する対処法を学び、自ら症状をコントロールする技術を身につける。当然、「直面化」と「安定化」はどちらか一方が望ましいという結論はありえず、クライエントの症状や人格特性に合わせて選択すべきである。

 

[3]

心的外傷後の成長とは、トラウマ的な人生の出来事の後の正の人格変化を指す。外傷性の出来事を経験することは、特定の個人の人格に変革的な役割を果たすことができ、成長を促進することができる。たとえば、トラウマを経験した個人は、より大きな楽観主義、ポジティブな影響、ソーシャルサポートへの満足、およびソーシャルサポートリソースの数の増加を示すことが示されている。

 

 [4]

心的外傷後ストレス障害PTSD)は、事故や震災といった強烈なトラウマ体験により、強い恐怖感、感覚の麻療やフラッシュバック、睡眠障害などの症状が1ヶ月以上続く状態をいう。症状となるポイントは、トラウマ体験を繰り返し思い出してしまう「外傷体験の反復想起(再体験)」、その結果として緊張状態が続く「過覚醒」、そして外傷体験を想起させる刺激からの「回避」、誰も信じられない、世界は危険だといった否定的な認知や、ポジティブ感情が経験されないという「感情と認知の否定的変化」の4つである。治療においては薬物の使用や行動療法、認知行動療法EMDRなどの効果が認められる。