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レヴィン(Lewin, K)/ アクションリサーチ(action research)

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ポイント

 

レヴィン(Lewin, K)が提唱した。アクションリサーチとは、社会な課題に対して、小グループにおいて、研究者と個々の問題の当事者が基礎的研究で解明し、得られた知見を社会生活に還元して現状を改善することを目的とした実践と研究を統合した研究法である。

 

アクション・リサーチは、「アクションを取ること」と「研究を行うこと」の二者が、緊密に相互反映するという、連続的なプロセスを通じた変革を志向している。1944年、当時MITの教授であったクルト・レヴィンが、はじめて"action research"(アクション・リサーチ)という用語を使用した。彼が1946に著した"Action Research and Minority Problems"という論文で、彼はアクションリサーチについて 「社会運動、および社会運動を促す研究の、状態や影響といった多様な形態についての比較研究」であり、「計画」「実行」「実行結果についての事実発見」が螺旋上昇するステップである、と説明した。

 

 アクションリサーチ(action research)は、1940年代から50年代前半にかけて、クルト・レヴィン(Lewin,K.)によって提唱された方法である。1970年代あたりから、アクションリサーチは、再び盛んになっている。日本でも、社会心理学や教育社会学などの領域を中心に、大きな注目を浴びている。また、学会以外の場、たとえば産業界における企業内社員教育、職場の改善運動などでは、以前から継続して用いられ、洗練されてきた。アクションリサーチでは、心理学などの基礎研究と、そこから引き出された知見の実践過程の相互のやり取りを強調する。レヴィンの3項関係図では、研究(research),実践(action),訓練(training)は3つの柱であり、相互に補足し作用する。

 観察法は、データを入手する手段である。テスト法、面接法、質問紙調査法など、手段は、ほかにもある。もしも実行可能ならば、いろいろな手法を併用して、総合的に接近することが望ましい。アクションリサーチは、対象への関与の程度が、参加観察法よりも強い。アクションリサーチでは、研究の改善策の実践とが、相互循環的に応答して進んでいくことが多い。このときには、しばしば、研究者が観察者を兼ねる。

 アクションリサーチの過程は、表1のようにまとめられる。大きく見ると、(1)と(2)は企画(plan)の過程である。現場を観察し分析することから、「気づき」を抽出し練り上げ、解決すべき課題として具体化する部分である。そして、改善の工夫を立案する。(3)は実行(do)し、効果を導く部分である。(4)は評価・考察(see)する部分である。もちろん、実際には、このように、すべてがすべて、(1)から(6)までの過程をたどるわけではない。(1)から(3)までで、打ち切られることもある。(1)から(4)のケースもある。

 

表1 アクションリサーチの過程(マニュアル)

(1) 現実場面を部席検討し、改善問題を設定する。
(2) 心理学の知見を駆使し、改善策の仮説を立てる。
(3) 改善策を具体的に実践する。場合によっては、実践のための訓練・教育を行う。
(4) 改善策の効果を科学的に測定し、改善策(仮説)を評価・考察する。
(5) さらに継続して改善すべきなら、(1)~(4)の手続きを重ねる。
(6) 改善目標が達成されたら、ほかの場面へ応用し、一般化と限界を検討する。

 

 

cf.

社会構築主義(social constructionism)は、人間関係が現実を作るという考え方である。現実、つまり現実の社会現象や、社会に存在する事実や実態、意味とは、個人の頭の中で作られるものではなく、人々の交渉の帰結であると考え、言語的に構築されるという社会学の立場である。

 

 

確認問題

[1]

下記の用語について簡単に説明しなさい。

・action research

 (静岡大学大学院 人文社会科学研究科 臨床人間科学専攻)

 

解答

[1]

レヴィンが提唱した。アクションリサーチとは、社会な課題に対して、小グループにおいて、研究者と個々の問題の当事者が基礎的研究で解明し、得られた知見を社会生活に還元して現状を改善することを目的とした実践と研究を統合した研究法である。