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系列位置効果(serial position effect)

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ポイント

系列位置効果(serial position effect)

系列位置効果とは、刺激の記憶成績が、提示された順序の影響を受けること。系列位置効果には初頭効果、新近性効果の2つがある。初頭効果は、最初の方に提示された刺激の記憶成績が良いこと。新近性効果は最後の方に提示された刺激の記憶成績が良いこと。

 

アトキンソンとシフリンの記憶の二重貯蔵モデル 

外界からの情報はまず感覚記憶として貯蔵される。感覚記憶の中の情報で特に注意を向けられた情報は、次に短期記憶に転送される。そして、短期記憶に転送された情報の中でも、精緻化リハーサルなどの処理を受けた情報は長期記憶に転送される。感覚記憶の容量を調べた実験にスパーリングの部分報告法による実験がある。 

二重貯蔵モデルでは、何度も情報を繰り返し想起するリハーサルによって記憶は短期記憶から長期記憶に移行すると考えた。このようなリハーサルを精緻化リハーサルという。対して、短期記憶にとどまる時間を伸ばすリハーサルを維持リハーサルという。

 

確認問題

[1]

下記の用語について簡単に説明しなさい。

・serial position effect

佛教大学大学院 教育学研究科 臨床心理学専攻)

 

[2]

記憶の実験によって示される系列位置効果について、正しいものを1つ選べ。
① 初頭効果は、学習直後に遅延を置くと消失する。
② 列再生法を用いた記憶の実験によって示されるものである。
③ 新近効果は、長期記憶に転送された情報の量を反映したものである。
④ 学習段階で単語の呈示時間を長くすると、リスト中間部の再生率は低下する。
⑤ 系列位置ごとの再生率を折れ線グラフとして表した系列位置曲線は、U字型になる。

公認心理師試験 第1回 問5)

 

 

解答

[1]

系列位置効果とは、刺激の記憶成績が、提示された順序の影響を受けること。系列位置効果には初頭効果、新近性効果の2つがある。初頭効果は、最初の方に提示された刺激の記憶成績が良いこと。新近性効果は最後の方に提示された刺激の記憶成績が良いこと。

 

[2]

5

 

① ×初頭効果→新近効果
② ×列再生法→自由再生法
③ ×新近効果→初頭効果
④ 単語の呈示時間に関わらず、リスト中間部の再生率は低い。