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バンデューラ(Bandura) / 自己効力感(self-efficacy)

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ポイント

 

バンデューラ(Bandura)が提唱した社会的学習理論において、行動変容においては、個人がある状況において心要な行動を効果的に遂行できる可能性の認知、つまり自己効力感(self-efficacy)が重要であることを示した。 自己効力感が強いほど実際にその行動を遂行できる傾向にあるという。

外界の事柄に対し、自分が何らかの働きかけをすることが可能であるという感覚。行動遂行の先行要因には、ある行動がある結果を生み出すだろうという結果予期と、ある結果を生み出すために必要な行動を自分がうまく行うことが出来るという確信である効力予期がある。自己効力感とは、効力予期をどの程度持っているかを認知することをさす。

 

確認問題

[1]

人間の諸活動においてなぜ自己効力感が重要だと考えられているのか。また、自己効力感の源泉にはどのようなものがあるか論じなさい。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

 

[2]

自分の特定の行動を成功裏に遂行できるという感覚や信念を表す用語として、最も適切なもの1つ選べ。

① 自己効力
② 自己調整
③ 自尊感情
④ コンピテンス
⑤ ポジティブ感情

公認心理師試験 第1回 問22)

 

 

解答

[1]

 人間の諸活動において、個人がある状況において心要な行動を効果的に遂行するためには自効力感が重要である。バンデューラ(Bandura)が提唱した社会的学習理論が源泉にある。

 

 [2]

1


② 自己調整が用いられる心理学の用語には自己調整学習があげられる。これは学習過程のすべてに学習者自身が能動的にかかわり、自己の認知活動や行動をコントロールしながら、効果的に学習目標を達成していこうとする学習スタイルのことをいう。
③ 自尊感情は、自己に対する価値的感情や態度のこと。
④ コンピテンスとは、有能さのことである。内発的動機づけをもたらす源泉の一つである。
⑤ フレデリクソンによるとポジティブ感情には、『喜び』
『感謝』『安らぎ』『興味』『希望』『誇り』『愉快』『鼓舞』
『畏敬』『愛』の10の感情が該当する。