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社会的ジレンマ(social dilemma)

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ポイント

 

社会的ジレンマ(social dilemma)

 

社会において、個人の合理的な選択が社会としての最適な選択に一致せず乖離が生じる葛藤。

【例】ゴミ出しを決められた日時を無視して行うことは自分個人にとっては都合がよいが、それを他の人も同じように行うと、ゴミ収集所がカラスの被害にあう、ゴミが散乱するなど返って全員にとって迷惑な状況になる。

 

囚人のジレンマ(Prisoner's Dilemma)

 

個人に二つの選択肢(協力/非協力)が与えられた、二人の人間が遭遇するジレンマのこと。非ゼロ和ゲームの一例。非ゼロ和ゲームは、複数の人が相互に影響しあう状況の中で、ある1人の利益が、必ずしも他の誰かの損失にならないゲーム状況をいう。

 

共同で犯罪を行ったと思われる2人の囚人A・Bを自白させるため、検事はその2人の囚人A・Bに次のような司法取引をもちかけた[6]。

本来ならお前たちは懲役5年なんだが、もし2人とも黙秘したら、証拠不十分として減刑し、2人とも懲役2年だ。
もし片方だけが自白したら、そいつはその場で釈放してやろう(つまり懲役0年)。この場合黙秘してた方は懲役10年だ。
ただし、2人とも自白したら、判決どおり2人とも懲役5年だ。
このとき、「2人の囚人A・Bはそれぞれ黙秘すべきかそれとも自白すべきか」というのが問題である。なお2人の囚人A・Bは別室に隔離されており、相談することはできない状況に置かれているものとする。

2人の囚人A・Bの行動と懲役の関係を表(利得表と呼ばれる)にまとめると以下のようになる。表内の (○年, △年) は2人の囚人A・Bの懲役がそれぞれ○年、△年であることを意味する。たとえば表の右上の欄(10年,0年)とは,「Aが黙秘・Bが自白」を選択した場合、Aの懲役は10年、Bの懲役は0年であることを意味する。

       囚人B 黙秘   囚人B 自白
囚人A 黙秘   (2年, 2年)   (10年, 0年)
囚人A 自白   (0年, 10年)   (5年, 5年)

 

2人の囚人A・Bにとって、「互いに自白」して互いに5年の刑を受けるよりは「互いに黙秘」して互いに2年の刑を受ける方が得である。しかし、2人の囚人A・Bがそれぞれ自分の利益のみを追求している限り、「互いに黙秘」という結果ではなく「互いに自白」という結果となってしまう。これがジレンマと言われる所以である。このようなジレンマが起こるのは以下の理由による。

まず囚人Aの立場で考えると、囚人Aは次のように考えるだろう。

囚人Bが「黙秘」を選んだ場合、自分 (=囚人A) の懲役は2年(「黙秘」を選んだ場合)か0年(「自白」を選んだ場合)だ。だから「自白」を選んで0年の懲役になる方が得だ。
囚人Bが「自白」を選んだ場合、自分 (=囚人A) の懲役は10年(「黙秘」を選んだ場合)か5年(「自白」を選んだ場合)だ。だからやはり「自白」を選んで5年の懲役になる方が得だ。
したがって、囚人Aにとっては,囚人Bがどのように行動するかにかかわらず自白することが最適な選択ということになる。これは囚人Bにとっても同じであるため、囚人Bも囚人Aと同じ考えによって自白することが最適な選択である。このような理由で2人の囚人A・Bは結果的に「互いに自白」という行動をとることとなる。

 

確認問題

[1]

社会的ジレンマ事態では、多数の協力者の存在により、自ら協力しない者がより多くの恩恵を受ける。これは、(1)と呼ばれる現象である。

 (名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

解答

[1]

1、囚人のジレンマ