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自己開示(self-disclosure)

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ポイント

 

自己開示(self-disclosure)

 

自分の主観的世界や自分に関する情報について、他者に言語を介して伝える行為を言う。厳密に言えば、何の意図も無しに背定的な面も否定的な面も含めて、ありのままの自分の姿を伝達すること相手との親密性を高めたり、コミュニケーションを活性化したりするために必要なものと考えられる。

対人不安や対人ストレスの高い人、コミュニケーションの問題を抱える人などに対し、SSTソーシャルスキルレーニング)が用いられることがあるが、その中で、自己開示の方法を訓練していくという手法が用いられることも多い。

 

 

自己開示の機能

・個人的機能

 

・感情表出機能

開示することで感情が浄化される。自己開示をするほど精神的健康は高い。

 

・自己明確化機能

自己開示によって自己を客体視し、自己概念が明確になる。

 

 

・対人的機能

 

・社会的妥当性機能

自己開示の受け手の反応によって、自分の意見や態度の社会的妥当性を判断することができる。社会的コントロール機能自己開示を意図的にコントロールすることで、自分の印象をコントロールできる(自己呈示と同じ)。

 

・二者関係の発展機能

返報性のルールに従って、自己開示をされると、同程度の量と質自己開示を相手に行う。自己開示の繰り返しによる二者関係が進展する。

 

 

自己開示の返報性(reciprocity)

「返報性」とは他者から受けた利益や行為に対して、それと同種、同程度のものを他者に返すことをいう。例えば、こちらが趣味の話をしたら相手も趣味の話、より個人的な家庭の話をしたら相手も家庭の話をするといった具合で、同程度の深い話をするようになる。

 

 

確認問題

 

[1]

ひとたび自分が他者に自己開示を行うと、相手からも同程度の自己開示を受けることが期待されるが、このような性質を自己開示の(1)という。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

[2] 

アルトマン(Altman, I.)とテーラー(Taylor, D.A.)の社会的浸透理論では、自己開示の(1)によって、対人関係は親密化していくと考えられている。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

解答

[1]

1、返報性

 

[2] 

1、返報性