ケースフォーミュレーション(case formulation)
ポイント
ケースフォーミュレーション(case formulation)
事例定式化。アセスメントで得られた多様な情報を系統的に整理して問題を明確化し、様々な臨末心理学の理論を用いて、クライエントが個別に抱える問題の成立・維持に関する仮説の生成・検証を行う。仮説に基づき個々のクライエントの現在の状態や間題に即した介入計画を決定・実施し、介入効果の検証を行い、必要に応じて仮説・介入計画の修正を行う。
ケースフォーミュレーションのプロセス
第一段階:問題の特定・明確化
クライエントのニーズ(治療への期待介入目標)と心理アセスメントで得られた情報に基づいてクライエントと話し合い、協働で問題を特定し具体的に明確化する(関係性の構築と動機づけの促進)。
第二段階:仮説の探索・生成
クライエントが現在抱えている個別的な問題の構造(発生・発展・維持のプロセス)についての仮説を生成する。また、仮説を裏付けるため、必要に応じてさらに心理検査を行い、認知面・行動面・生態面などの多元的なアセスメントを実施する(問題のフォーミュレーション)。
フォーミュレーション
仮説の妥当性の検証を行った上で、仮説と問題解決に向けての方針や課題などについての説明と話し合いをクライエントと行い、具体的な介入目標の設定や再確認を行う。そして、クライエントの個別性に即した介入計画を決定し、クライエントの同意を得た上(インフォームドコンセント)で介入計画を実施する。クライエントと共に介入効果の検証を行い、必要に応じて第1〜第3段階を再検討し、常に適切な介入が行われるように仮説・介入計画の修正や見直しを行う。
確認問題
[1]
下記の用語について簡潔に説明しなさい。
・case formulation
(静岡大学大学院 人文社会科学研究科 臨床人間科学専攻)
[2]
ケース・フォーミュレーションについて、正しいものを1つ選べ。
① 一度定式化したものは修正しない。
② できるだけ複雑な形に定式化する。
③ 全体的かつ安定的な心理的要因を検討する。
④ クライエントと心理職との共同作業を重視する。
⑤ 症状を維持するメカニズムや診断名を考慮しない。
(公認心理師試験 第1回 問18)
解答
[1]
事例定式化。アセスメントで得られた多様な情報を系統的に整理して問題を明確化し、様々な臨末心理学の理論を用いて、クライエントが個別に抱える問題の成立・維持に関する仮説の生成・検証を行う。仮説に基づき個々のクライエントの現在の状態や間題に即した介入計画を決定・実施し、介入効果の検証を行い、必要に応じて仮説・介入計画の修正を行う。作成については、生物心理社会モデルと機能分析に基づく方法がある。
[2]
4
① ×修正しない→修正する
② ×複雑な形→単純な形
③ 心理状態は常に変化するため、全体的かつ安定的な心理的要因を検討するだけでは不十分である。
⑤ ×考慮しない→考慮する