ポイント
相互なぐり描き法:スクイグル法(squiggle method)
ウィニコットが開発した描画法。まずセラピストがサインペンで用紙になぐり描きをし、続いてクライエントが、そのなぐり描きから連想されたものを、クレヨンで線を描き加えて完成させる。この過程を、順序を交替して数回繰り返す。
cf.
なぐり描き法:スクリブル法
なぐり描き法(スクリブル法/scribble)は、アメリカアートセラピーの先駆者マーガレット・ナウムブルグ(Naumburg,M.)が1966年に開発したアートセラピーの技法です。はじめにクライエントにペンと画用紙を渡し、何も考えずになぐり画きをするように促します。
そして描線が表れたら「この線から何が見えますか?」と質問し、見つけたものに色をつけてもらいます。
交互なぐり描き物語統合法:MSSM法
交互なぐり描き物語統合法(MSSM法:mutual scribble story making)は、1984年に山中康裕氏がウィニコットの相互なぐり描き法を発展させたアートセラピーです。1枚の画用紙を6~8のスペースに区切ってもらい、それぞれのスペースで相互なぐり描き法を行います。
その後、すべての絵を使って1つの物語を作ってもらいます。
物語を紡ぐことで、投影したものを再び意識の糸で縫い合わせ統合させる効果があります。
コラージュ療法(collage therapy)
雑誌や広告などから写真や絵などを切抜き、台紙に貼って一つの作品を作るという作業を行う過程によって、自己の内面を自ら振り返り、自己表現を行うことができる。
風景構成法(landscape montage technique)
イメージを用いた心理治療法は、言語ではなくイメージを用いてクライエントの不適応や情緒の障害に介入しようとするものである。実際になんらかのイメージを思い浮かべるイメージ療法のほか、絵画療法やコラージュ療法などの芸術療法もイメージを用いた心理治療法に該当するといえる。イメージを用いた心理治療法の効用としては、言語を用いることが不得意なクライエントや子どもに対しても実施することが可能で、イメージを通して自己を表現することができ、それによってカタルシス効果を得ることができることが挙げられる。一方、イメージを用いることで制約なく自由な反応を引き出すことが可能であるため、自我が脆弱なクライエントにとっては元来脆弱な防衛がさらに弱くなり、危険な状態になることもある。
確認問題
[1]
次の事項に該当する用語を答えなさい。
・雑誌から切り取った写真や絵を画用紙に貼り作品にする技法。
(東海学院大学大学院 人間関係学研究科 臨床心理学専攻)
解答
[1]
コラージュ療法