省略訓練(omission training)
奇声を発する幼児に先生が注意をしたり、周りの幼児が笑ったりして、ますます奇声が激しくなったときに、先生も他の幼児も奇声を発しても無視し、無関心でいる状態が続き、普段の状態の時に話しかけたり注目したりするようにすると、奇声の回数が減りついには消失する。このように反応を減少させる手続を省略訓練(除去訓練)という。
オペラント条件づけによる分化強化の手続の一種。反応生起頻度の変容には,反応生起に報酬を与えるか逆に罰を与えるようにすること,反応生起に報酬を与えないようにするか逆に罰を与えないようにすることである。
強化スケジュール(reinforcement schedule)
ポイント
強化スケジュール(reinforcement schedule)
連続強化スケジュール
勉強をする度に大好きなココアを毎回飲むというように、反応に毎回強化子が付随する強化スケジュール連続強化スケジュールという。
部分強化スケジュール
固定比率スケジュール(FR)
部分強化スケジュルの中で最初の9回は強化子がなく、10回目の反応が強化されるような強化スケジュールを固定比率スケジュール(FR)という。この強化スケジュールを用いた場合、強化後の反応休止があり、その後一定のペースで連続した反応を示す。
変動比率スケジュール(VR)
ギャンブルなどのように大当たり(強化子)するまでの行動の回数が一定ではなく、平均して何回かに1 回の割合で強化されるような強化スケジュールを変動比率スケジュール(VR)という。このスケジュールのもとでの典型的な行動は、強化後の反応休止がほとんどみられず、きわめて高頻度の反応を連続して行うものである。
強化子 (reinforcer)
お腹が空いているときの食べ物や電気ショックなど生得的に強化子としての機能を持つ刺激を無条件性強化子(一次性強化子)という。また、経験により強化機能を持つようになった刺激を条件性強化子(二次性強化子)という。
環境の変化と個体の行動の変容との機能的関係によって定義された刺激の類(クラス)の一つ。行動に後続して起こる環境変化のうち、その後の行動の出現頻度を増加させるものを強化子もしくは強化刺激(reinforcing stimulus)とよぶ。この行動の増加が、新たな刺激の出現あるいはすでにあった刺激の消失によってもたらされたのかで、それぞれの刺激を正の強化子、負の強化子とよんでいる。また生得的にこのような機能を獲得しているかどうかで無条件性強化子(一次強化子)・条件性強化子(二次強化子)、刺激の性質が物理的実体(食物、金銭)を伴っているか、それともある活動への従事(遊び、会話)によって表されるかで、実体的強化子(tangible reinforcer)、プレマック型強化子(Premackian reinforcer)と分類される。用法上の誤りを避けるために、正の強化子・負の罰子を好子、負の強化子・正の罰子を嫌子とよぶ場合もある。
ルール志向行動(rule-governed behavior)
「あの監督の最新作の映画、面白かったよ」と聞いて、 その映画を見に行った場合、 それを「ルール志向行動(ルール支配性行動)」という。
シェイピング技法(Shaping method)
新しい行動を獲得するときに、その行動をスモールステップに分けて、簡単にできるところから順に形成していく方法を「シェイピング技法」 という。
連鎖化(chaining)
学生食堂で食事をするためには、 自動券売機にお金を入れる、食べたいメニューのボタンを押す、 食券を受け取る、トレーを持って列に並ぶ、カウンターで食券を渡す、 料理を受け取る、空いている席に座るというようにいくつかの反応からなる複雑な行動を形成する手続を「連鎖化」 という。これについて、食券の買い方から練習し、次に列を作って順番に並ぶことを練習するように、 最初から順番に訓練していくやり方を 「順向連鎖化」という。
三項随伴性(three term contingency of reinforcement)
オペラント反応を自発する手がかりになる刺激を「弁別刺激」という。オペラント条件づけで弁別刺激-オペラント反応-強化子の関係性を3項随伴性とよぶ。
お腹が空いて学食に行くのと、友達に会いに学食に行くのは、「学食に行く」という同じ反応型が観察されるが、同じ「オペラント」 であるといえない。なぜなら反応の型が同じでも異なった随伴性が働いているなら、それらは違う行動である。ある行動をした結果、環境がどう変化したか、を経験することによって、環境に適応するような行動をオペラントという。