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行動本位・目的本位 

 

 

行動本位・目的本位 

 

気分本位の逆の意味を持つ言葉。

不安、恐怖、すなわち自分の気分に左右されずに、生活での実践を行う態度と行動様式のことである。

これはただ闇雲に行動すれば良い、目的を果たせば良いというものではない。

行動を通して、神経症的認知を修正し、生の欲望を発見し、発揮することが大切である。

 

気分本位

 

気分にのみ注意を払い、気分を良くすることがあたかも人生の目的となり、現実の生活実践がおろそかになっている様子。

 

生の欲望

 

生の欲望とは、よりよく生きようとする人間本来の欲望。不安や死の恐怖と生の欲望は表裏一体。不安や死の恐怖を完全になくすことは不可能であり、その必要もない。どちらも認めて受け入れることが、自然にしたがったあり方である。

 

恐怖突入

 

恐怖を避けていればいるほど、恐怖はつのる。生活の実践の中で、必要に応じて恐怖へ突入し、恐怖の中に入れば、むしろ恐怖は薄れていくもの。暴露反応に該当する。

「幽霊の正体見たり枯尾花」

 

森田療法神経症的認知

 

「かくあるべし」という完全主義的傾向。

「とらわれ」(精神交互作用)と「はからい」(神経症的回避行動)

 

 

とらわれ(精神交互作用)

 

 ある人が病感、身体的感覚、不安、恐怖、観念などに注意を集中し、また起こるのではないかと予期し、恐怖する。そうすると、ますますそれに注意が集中し、その病感、身体感覚等が強く感じられ、その結果さらにそれに注意が集中します。それしか考えられない状態、つまり視野狭窄になっているともいえます。例えば、腹部の不快感を心気的に解釈する、認知行動療法でいう破局的認知があり、それが恐怖、不安を引き起こす。そしてますますその不快感に自分の注意がひきつけられ、それがさらに神経症的認知を強め、恐怖がさらに増加する。心身を巻き込んだ閉鎖的な運動ともいえます。このような私たちの内部の苦痛な感覚、体験が生じたときに発動する悪循環過程を、森田正馬は「とらわれ」と呼びました。

 

 

はからい(神経症的回避行動)

 

 不安や症状を排除しようとする行動や心のやりくり。

 

 

 不安を解消しようとしたり、コントロールしようとすること、私たちの精神の活動を自分の都合の良いように操作しようとすること、そのように心を支配し操作しようとすること自体が私たちの悩み、苦悩の原因ではないかと森田は考えた。過去の不快な追想や欲望を自ら忘れようと排除し、逆にますますそれに執着してしまうことが、神経症を作りあげると森田は主張しています。

 

 患者さんが特別視する不安を人間の自然な感情ととらえ、これを排除しようとする姿勢が不安を高めると考える。そのため治療の焦点は、悪循環の打破と不安の背後にある健康的な欲求の発揮に据えられます。不安を排除せず、そのまま付き合いながら必要な行動に踏み込む姿勢が促されます。

 

 

<参考文献・引用文献>

https://www.amazon.co.jp/%E6%A3%AE%E7%94%B0%E7%99%82%E6%B3%95-%E5%BF%83%E7%90%86%E7%99%82%E6%B3%95%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA-%E5%8C%97%E8%A5%BF-%E6%86%B2%E4%BA%8C/dp/4623043347

 

 

 

 

 

ソクラテス式問答法・拡大的な質問法 【認知行動療法】

 



ソクラテス式問答法・拡大的な質問法

サマリー

 

 ソクラテス式問答法は、クライエントに幅広い角度から多様で創造的な発想を促し、新しい発見に到達する可能性を高める質問法である。回答しにくいと感じるクライエントもいるが、「どうしてですか?」「例えば、どんなことがあげられますか?」というような質問により、発想や発見を促すことができる。クライエントを追い込むような調子での質問態度にならないこと、誘導されていると感じさせないことなどの注意が必要であり、クライエントと治療者の間に好ましい関係を形成することやクライエントの抱えている問題への理解を表現することことなどが重要である。

 

ソクラテス式問答は次の6つのカテゴリーからなる
明確化
前提を見直す
理由や根拠を見直す
別の見方や観点を質問する
影響や結果を分析する
質問への質問
 

1.明確化

 
 患者は出来事についての自動思考を唯一の選択肢と受け止めていることが多い。明確化の質問によって、患者は信念や前提をより深く検討し、思考や解釈の選択肢を増やすことができる。これらの質問はしばしばもっと教えてくれますか”カテゴリーに分類され、以下の例が典型的である
 
・・・と仰っていますが、それはどういう意味ですか?
このことをどう理解していますか?
なぜそのように言うのですか?
正確には、これは何を意味していますか?
このことについて、私たちはすでに何を知っていますか?
ひとつ例を教えてくれませんか?
・・・と言っているのですか?それとも・・・ですか?
それを別の言い方で言ってみてくれませんか?
 
2.前提を見直す
 
 前提を問う質問では、患者が根拠としている前提条件や、疑いなく思い込んでいる信念にチャレンジする(訳注:考え直してもらう質問をする)。多くの患者は自分の信念に“なぜ”どのように”といった疑問を抱いたことがなく、一旦その考え直しを始めると、自分の信念が脆い土台に基づいていたことに患者は気づけるようになる。
 
 
どのようにこの結論に至ったのですか?
それ以外に考えられることはないでしょうか?
この考えは何らかの前に立っていますか?
どうしてその前提で考えるようになったのですか?
これらの・・・という前提を、どのようにして思いついたのですか?
その前提の正しさや間違いをどうやって確かめられますか?
もし・・・なら、どうでしょう?
・・・に賛成ですか?反対ですか?
友人や兄弟に同じことが起こったら、彼らに対して同じように考えますか?
 
3.理由や根拠を見直す
 
 理由や根拠を調べることは前提を調べるのと同じようなプロセスとなる。信念を支える現実的な根拠を見るように治療者が手助けすれば、患者は自分の考えを支えている根拠がかなり未熟なものだと気づくことが多い。
 
どうやってそれを知ったのですか?
・・・ということを実際見せて(証明して)くれませんか?
例を教えてくれますか?
何が原因だと思いますか?
説明はそれ以外にないでしょうか?
これらの理由で十分に説明しつくせるでしょうか?
法廷に出したら、どんな風に反論されそうでしょう?
有名な新聞でもこうした理由で記事にできるでしょうか?
なぜ・・・は起こりますか?
なぜ?
あなたの言っていることを支持する根拠には、何がありますか?
これまでの人生で、別の意見を言った人はいませんでしたか?
「 」は法廷での証拠として成立するでしょうか?
 
 
4.別の見方や観点を質問する
 
 多くの患者は別の見方を一切考慮せず、もっとも簡単に安全感やコントロール感を得られる見方を取るようになっている。別の見方や観点について質問することで、治療者はその立ち位置に•チャレンジする。そうすることで、他にも同じように妥当な見方があり、そうした見方を取っても、安全感やコントロール感が損なわれないことを患者が理解する助けとなる。
 
別の見方は何かありませんか?
そう考え続けることは、あなたにとってどんな意味(機能)を持っていますか?
そう考えることで得をするのは誰ですか?
・・・と・・・の間の違いは何ですか?
なぜそれは・・・より良いのでしょうか?
・・・と考える長所と短所は何ですか?
・・・と・・・はどのように似ていますか?
・・・さんなら、何と言うでしょうか?
・・・と・・・・を比べてみると、どうでしょう?
どうしたら別の見方を取れそうですか?
 
5.影響や結果を分析する
 
 多くの場合、自分の抱く信念が好ましくない影響や結果につながっていることに患者は気づいていない。起こり得る結果について考え、その結果に納得できるか、望ましいのかを判断する手助けをすることで、患者は凝り固まった信念が自分の苦痛の大部分を作りだしていることに気づけるようになるかもしれない。
 
そう考えるとして、そしたら何が起こりますか?
その前提に立つとして、その結果どうなるでしょう?
・・・・は・・・にどう使えるでしょうか?
・・・は、結果としてどんなをもちますか?
・・・は・・・にどう影響しているでしょうか?
・・・は、これまでのセッションで話し合ったこととどうつながりますか?
・・・は、なぜ重要なのですか?
何が起こるだろうと思われますか?
その考えを手放したとしたら、それは何を意味するでしょうか?
 
 
6.質問への質問
 
 時に、患者が治療者に挑戦したり、トラウマティックな出来事を治療者が経験したことがあるかを直接問うことで治療者・患者の境界を揺るがすことがある。たとえば、患者は直接治療者に「戦地に行ったことがありますか?」とか「レイプされたことがありますか?」などと聞くかもしれない。こうした往々にして難しい状況では、治療者は自身の臨床判断とともに、CPT特有のスキルに基づき、患者がなぜ興味を持ったのかを尋ねることができる。どの程度まで打ち明けるかは、それぞれの治療者の裁量となる。また、打ち明けることによって患者に与える影響を考慮し、その影響を踏まえて治療者は自分の対応を変えることが重要である。
 
 治療中のこうした場面においては、おだやかな質問への質問が最も有効かもしれない。患者自身、そして質問の意図に焦点を戻すことによって、患者は自分がこの種の質問をした理由をしっかりと検討できる。治療者が本当にわかってくれているか知りたいのかもしれないし、治療者に焦点を置くことで自分自身の体験を詳しく話し合うのを避けているのかもしれない。この種の問題が生じた場合、対処する方法がいくつかある。
 
ご自身の体験を私がちゃんと扱えるだろうかと思っているのですね?
なぜそのことが、あなたにとって重要なのですか?私が同じ経験をした(していない)とが、どんな意味をもつのでしょうか?
答えがどちらになるにしても、それはどんな意味を持つでしょうか?
わかってくれていないと心配されていますか?
私が見落としていることがあれば、どうか教えてください。その体験があなたにとってどのようなものだったかを理解したいと思っています。

 

 

<参考文献・引用文献>

 

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%A6%82%E5%BF%B5%E5%8C%96%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B-%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E8%A1%8C%E5%8B%95%E7%99%82%E6%B3%95%E3%83%BB%E6%8A%80%E6%B3%95%E5%88%A5%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E2%80%95%E2%80%95%E5%95%8F%E9%A1%8C%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%8B%E3%82%89%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%BE%E3%81%A7-%E4%B8%AD%E9%87%8E%E6%95%AC%E5%AD%90/dp/4904536002

 

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%9E%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E5%87%A6%E7%90%86%E7%99%82%E6%B3%95-%E6%B2%BB%E7%99%82%E8%80%85%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%8C%85%E6%8B%AC%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D-%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%BB-%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF/dp/4422117009

 

査定面接と心理面接における関係性 h22



 

 

査定面接と心理面接の異なる側面

①査定面接は、心理面接への手段である。一方、心理面接は面接自体が目的である。

②査定面接は、情報収集という目的を持つ。そのために面接者主導で、指示的な態度を取ることもある。一方、心理面接は、問題解決や自己実現のために、クライエントが自ら気づきを得るように、面接者は非指示的な態度を取る。

③査定面接は、評価のための観察測定といった側面を持つ。そのことから、面接者はクライエントに対して客観的な姿勢を保つ。一方、心理面接は、問題解決や自己実現のために、面接者とクライエントが全人格的なかかわりによって相互作用をもたらす関係性である。

④査定面接では、陽性感情を主軸としたラポールを形成することにより、情報収集が促進される。一方、心理面接は、陰性感情も含むリレーションにより、しばしば抵抗もみられる。

 

査定面接と心理面接の同じ側面

①査定面接と心理面接は、相互作用的であり、分かち難く結びついている。

②査定面接がクライエントにとって治療的役割を果たす場合も多い。逆に、心理面接に査定面接の意味合いが生じてくる場合も少なくない。つまり、心理面接によって査定結果を見直すことも出てくる。そのようなことから、面接者がクライエントと結ぶ関係性は、基本的に同じであるともいえる。

③受容的態度・共感的理解・自己一致という基本的態度により、ラポールを築き、全人格的かかわりを持つように心掛ける。そのような関係性によって、専門家としてクライエントの福利に資する。

臨床心理的地域援助への個人面接・アセスメントの応用 h26

 

 

 

臨床心理学的地域援助とは

 

まず、臨床心理的地域援助をずばり定義すると、「臨床心理的地域援助とは、地域社会で生活を営んでいる人々の、心の問題の発生予防、心の支援、社会的能力の向上、その人々が生活している心理的社会的環境の調整、心に関する情報の提供などを行う臨床心理学的行為を指す」と私は定義をします。この定義によれば、臨床心理学的行為の対象は地域社会で生活を営んでいる人々であり、病院や施設に入院していたり収容されている人々ではありません。それは障害や病気を抱えながら地域社会で自立し自分の力で生活している人々、病気にはなっていないが日常生活の中でストレスを抱えて生活している人々、日々の地域生活家庭生活を営んでいる人々です。

 

臨床心理学的行為の内容

 

予防

第一に、心の問題が発生しないようにあらかじめ予防対策をすること、特に第一次予防を行うことです。心の病気の原因はまだはっきりしない点があったり原因が複雑であったりしますが、ストレスの軽減または除去や、ストレスマネージメントを行うことで心の病気の予防対策をたてることができます。

 

支援

次に、心の支援があります。障害や病気、悩みを抱え生活している人々を、それを支援するためのソーシャル・サポート・グルーブを作り、そのグループによって人々の心の支えとなったり、または個人的にカウンセリングやコンサルテーションによって人々の心の支えとなったりする活動です。

 

社会能力の向上

3つ目に、社会的能力の向上というのは、心の発達促進に手助けしたり、社会的能力を身につけるよう訓練活動に従事する活動です。発達障害児のケアや訓練、精神障害者回復クラブやデイケア・グループでの臨床心理学的行為がそれにあたります。

 

心理的・社会的環境の調整

4つ目の心理的・社会的環境の調整とは、問題を抱えた本人ではなく、その人を取り巻く環境側に働きかけ問題の解決を促進させる活動です。家庭では両親の養育態度の改善を図ったり、学校では教師が児童生徒をより適切に理解、指導できるよう援助したり、職場での雰囲気作りや学校環境の改善を行ったり、地域生活の環境の改善を行ったり、さらには社会制度の見直しに参加する活動であったりします。

 

心の問題についての情報を提供

最後に重要な活動として、地域生活を営んでいる人々に心の問題についての情報を提供する活動があります。それは心の病気についての知識と理解、心の仕組みや発達の仕方についての知識と理解の情報を提供する活動です。このような5点の活動を含む臨床心理学的行為が臨床心理的地域援助の内容です。

 

 

<引用文献>

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscpjournal/5/1/5_39/_pdf

ケースカンファレンス h30



 

 

カンファレンス

カンファレンスは,“精神病院,精神科病院児童相談所,養護施設,大学の心理相談室などで 関係するスタッフ全員が定期的に集まり,入院・ 入所中の患者や入所者,受理した事例,心理療法心理検査を実施している事例,終結した事例, 対応が困難な事例などについて報告し,治療,心 理療法,処遇などの方針といったことについて検 討するもの”

 

ケースカンファレンスとは

ケースカンファレンスとは、「一事例の経過を詳しくたどりながら、クライエントについての理解、治療者の自己理解、クライエントと治療者の関係や相互作用についての理解、治療過程についての理解を深めようとする」(徳田、2007)検討会のことを言う。

 

心理臨床家になるためには、ケースカンファレンス(事例検討会)の体験が欠かせないとされている。

 

ケースカンファレンスで学ぶこと

 

報告された事例の理解を深めること。事例 を相対化,客観化し,距離を置いて見ることが 出来たり,参加者からのコメントを聞くことで, 新たな理解を得たり,適切な見立てを立てたり する。

 

報告事例を超えて,他の事例にも応用でき るような知識,視点を得ること

 

参加者が,事例報告者の実践を体験することができること。このことは,事例検討におい て共感的な理解を行う上で必要なことである。 また,他者の取り組みを自身の参考にするとい う意義もある。

 

心理臨床家としての自分自身の理解を深め ること

 

他のスタッフから心理的にサポートされる 場ということ

 

 

ケース発表を聴きながら“もやもや”する場合。 その内的な“もやもや”を、まずは心の中で言語 化する。そのうえで、それを発表者に伝えるか、 黙って「自分の問題」として考えるかを吟味する。

 

敬意を持って“わがこと”のように事例発表を聴き、一つ一つの表現に対して必死にコミットしな がら発表を聴いていると、うまく言葉にならないよ うな、腑に落ちないような気持ちになることがあ る。以前、大学院生のケースカンファレンス体験 についてのインタビュー調査を実施した際(牧ら、 2009)、研究協力者の語りに『なんとなくしっくり こない時があって、そういう時は何か凄いもやもや した感じ』『ちょっと消化するのに時間がほしい感 じがあるかも』といった語りがあった。その語りを 元に、筆者らは「“体で感じる違和感や不全感”と でも呼べるような“もやもや感”はケースカンファ レンスにおいて完全に取り除くことはできないよ うに思う」と考察した。そんなもやもやした気持ち を感じたときには、その正体が何なのか、まずは自 分の中でしっかりと考えてみることが必要となる。 鑪(1994)は、ケース発表を聞いていると「『ただ なんとなくおかしい』『なんとなく提出者に腹立た しい』といったことがよく起こるものである。その 時、自分の気持ちをじっくりと整理する。そして、 内的なもやもやを言葉にしてみる。」ことを勧めて いる。しかし、この「ケースカンファレンス中に感 じるもやもや」を言語化することは、実はとても難 しいことだと思う。「ある場合には、自分の特定の 関心によって、どのような事例を見ても、読んでも、 その特定の関心に結びつけてしまうことが起こる」 (鑪、1994)こともあり、また、自分自身のコンプレッ クスや課題と重なっていることもあるためだ。たと えば、「母親への不満をセラピストに激しくぶつけ るクライエントの語り」にもやもやするとき、それ は、自分自身の母親コンプレックスが刺激されてい るからかもしれない。自分の中で見極め、「自分自 身のコンプレックス」から来ていると判断された場 合は、自分の問題をじっくりと考えるという心の作 業も重要となるだろう。

 

 

クライエントへの敬意、セラピスト(発表者)へ の敬意を忘れない。

 

筆者が大学院生時代にケースカンファレンスに 参加したとき、最初は非常に戸惑ったことを覚えている。実際の心理療法の話を聞き、『学生(大学院生) の自分がこれを聞いてよいのだろうか?』『これを 聞く資格が自分にはあるのだろうか?』という戸惑 いだったと思う。大学生から大学院生になると、「学 生から相談室スタッフへ」と基本的な姿勢を変えな ければならないが、そのことが最初はしっかりと理 解できないように思う。つまり、セラピストとして の基本姿勢を学ぶことがケースカンファレンスの 重要な目的の一つだと言える。基本姿勢としてまず 必要なことは、当然のことかもしれないが、クライ エントへの敬意、セラピスト(発表者)への敬意で ある。



 

 

<引用文献>

 

 

https://teapot.lib.ocha.ac.jp/records/34110

 

 

https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/RK/0027/RK00270L001.pdf

個人スーパービジョンとグループスーパービジョン r3 h25

 

 

 

 

スーパービジョンとは

専門性を共有しうる関係を基礎にして、スーパーバイジーの専門性と資質の向上をめざして行われる心理的・教育的サポート。共通の専門性や役割をもつ上級者が行なう指導・監督。

スーパーバイジーがカウンセラーや心理臨床家としての問題や課題に自分で気づき、それに主体的に取り組み、それを解決していくことができるようにするための継続的な援助関係である。

 

個人スーパービジョンとは

 

個人スーパーヴィジョンは,二者関係 (一人のスーパーヴァイザーと一人のスー パーヴァイジー)のなかで行われるものである。

 

個人スーパーヴィジョンの特徴

個人スーパーヴィジョンの特徴は, 安全感が高い,きめ細やかな関わりが できるという点である。

 

グループスーパービジョンとは

グループ・スーパーヴィジョンは三者以上関係(一人のスーパーヴァイザーと複数 のスーパーヴァイジー)のなかで行われるものである。

 

グループ・スーパーヴィジョンの特徴

 

グループ・スーパーヴィジョ ンの特徴は,次のようなグループ特有のメカニズムが働くという点である。

経済性(労力的,時間的,金銭的に経 済的)。

観察効果(他のスーパーヴァイジーの 事例を聞くことで視野が広がる)。

普遍化(他の人も自分と同じように苦 労したり悩んだりしていることを知り気 が楽になる)。

希望(自分の事例がうまくいっていな い時に,他の人の事例がうまく展開して いるのを知ることで自分もやれるかもし れないと希望が持てる)。

多様なダイナミックな相互作用(スー パーヴァイザーとスーパーヴァイジー,スーパーヴァイジーとスーパーヴァイ ジーの間での多様なダイナミックな相互 作用が起こる)。 

スーパーヴァイジーのスーパーヴァイザー的機能の活用(スーパーヴァイジー が他のスーパーヴァイジーに質問したり 意見を述べることでスーパーヴァイジー のスーパーヴァイザー的機能が活用され る)。

スーパーヴァイザーへの依存性が強くなりすぎない(スーパーヴァイジーが複 数おり,スーパーヴァイジー同士の相互 作用も行われるため依存性が強くなりすぎない)。

 

 

スーパービジョンの意義・目的・価値

スーパーヴィジョンの目的は,次のとお りである。 スーパーヴァイジーの<意欲>の向 上:やる気を起こさせる。 スーパーヴァイジーの<能力>の向 上:相手についての「見立て」(理解)と 「手立て」(関わり)の力のアップさせる。 時折,スーパーヴィジョンを受けて意欲 がそがれたり落ち込んだりするといったこ とを耳にするが,それは目的に反すること である。

 

スーパーヴァイザーの役割

スーパーヴァイジーのやる気を育てる 混乱したり自信をなくしたり疲れたり傷 ついたりしているスーパーヴァイジーにエネルギーを充電して,「さあ,やっていこ う!」とやる気を持てるようにということ を心がける。

 

ケースとスーパーヴァイジーを安全に 守る 難しいケースでは,援助構造が不安定に なり,ケースとスーパーヴァイジーの双方 が危険な状態に陥ることがあるが,そのよ うな時にそれについて指摘するとともに対 応について話し合う。

 

サポーティブな態度を維持する スーパーヴィジョンでは安心感・信頼感 が大切であると考えるので,一貫してスー パーヴァイジーを尊重し,温かなサポーテ ィブな態度を維持するようにする。

 

ケース理解を深め広げる ケースの心理の理解,行動の意味の理解 等について,スーパーヴァイジーにできる だけ意識化・言語化してもらった上で,そ れ以外の理解もあることをスーパーヴァイ ザーのコメントを通して知ってもらい, ケース理解を深めたり広げる。

 

その人の持ち味を生かす ケースへの関わり方を問題にする時, スーパーヴァイジーの持ち味(パーソナリ ティー)がうまく生きていくようなやり方 は何かということに気を配る。スーパーヴ ァイザーとスーパーヴァイジーは違った持 ち味を持っているので,スーパーヴァイ ザーの持ち味を生かしたやり方を押し付け るのではなく,スーパーヴァイジーの持ち 味が発揮されるようなやり方を考えてい く。

 

スーパーヴァイジーのパーソナリテ ィーの問題には深入りしない スーパーヴィジョンを進めていくうちに,単なる技法の話しだけに留まらず, スーパーヴァイジー自身のパーソナリテ ィーが問題になってくることがあるけれど も,そこには極力深入りしないようにす る。そのようなことは,できれば教育的カ ウンセリング(教育分析)という構造の中で 扱う方がよいと考える。

 

グループスーパービジョンの臨床現場での活用方法

 

 

 

 

<引用文献>