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個人スーパービジョンとグループスーパービジョン r3 h25

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スーパービジョンとは

専門性を共有しうる関係を基礎にして、スーパーバイジーの専門性と資質の向上をめざして行われる心理的・教育的サポート。共通の専門性や役割をもつ上級者が行なう指導・監督。

スーパーバイジーがカウンセラーや心理臨床家としての問題や課題に自分で気づき、それに主体的に取り組み、それを解決していくことができるようにするための継続的な援助関係である。

 

個人スーパービジョンとは

 

個人スーパーヴィジョンは,二者関係 (一人のスーパーヴァイザーと一人のスー パーヴァイジー)のなかで行われるものである。

 

個人スーパーヴィジョンの特徴

個人スーパーヴィジョンの特徴は, 安全感が高い,きめ細やかな関わりが できるという点である。

 

グループスーパービジョンとは

グループ・スーパーヴィジョンは三者以上関係(一人のスーパーヴァイザーと複数 のスーパーヴァイジー)のなかで行われるものである。

 

グループ・スーパーヴィジョンの特徴

 

グループ・スーパーヴィジョ ンの特徴は,次のようなグループ特有のメカニズムが働くという点である。

経済性(労力的,時間的,金銭的に経 済的)。

観察効果(他のスーパーヴァイジーの 事例を聞くことで視野が広がる)。

普遍化(他の人も自分と同じように苦 労したり悩んだりしていることを知り気 が楽になる)。

希望(自分の事例がうまくいっていな い時に,他の人の事例がうまく展開して いるのを知ることで自分もやれるかもし れないと希望が持てる)。

多様なダイナミックな相互作用(スー パーヴァイザーとスーパーヴァイジー,スーパーヴァイジーとスーパーヴァイ ジーの間での多様なダイナミックな相互 作用が起こる)。 

スーパーヴァイジーのスーパーヴァイザー的機能の活用(スーパーヴァイジー が他のスーパーヴァイジーに質問したり 意見を述べることでスーパーヴァイジー のスーパーヴァイザー的機能が活用され る)。

スーパーヴァイザーへの依存性が強くなりすぎない(スーパーヴァイジーが複 数おり,スーパーヴァイジー同士の相互 作用も行われるため依存性が強くなりすぎない)。

 

 

スーパービジョンの意義・目的・価値

スーパーヴィジョンの目的は,次のとお りである。 スーパーヴァイジーの<意欲>の向 上:やる気を起こさせる。 スーパーヴァイジーの<能力>の向 上:相手についての「見立て」(理解)と 「手立て」(関わり)の力のアップさせる。 時折,スーパーヴィジョンを受けて意欲 がそがれたり落ち込んだりするといったこ とを耳にするが,それは目的に反すること である。

 

スーパーヴァイザーの役割

スーパーヴァイジーのやる気を育てる 混乱したり自信をなくしたり疲れたり傷 ついたりしているスーパーヴァイジーにエネルギーを充電して,「さあ,やっていこ う!」とやる気を持てるようにということ を心がける。

 

ケースとスーパーヴァイジーを安全に 守る 難しいケースでは,援助構造が不安定に なり,ケースとスーパーヴァイジーの双方 が危険な状態に陥ることがあるが,そのよ うな時にそれについて指摘するとともに対 応について話し合う。

 

サポーティブな態度を維持する スーパーヴィジョンでは安心感・信頼感 が大切であると考えるので,一貫してスー パーヴァイジーを尊重し,温かなサポーテ ィブな態度を維持するようにする。

 

ケース理解を深め広げる ケースの心理の理解,行動の意味の理解 等について,スーパーヴァイジーにできる だけ意識化・言語化してもらった上で,そ れ以外の理解もあることをスーパーヴァイ ザーのコメントを通して知ってもらい, ケース理解を深めたり広げる。

 

その人の持ち味を生かす ケースへの関わり方を問題にする時, スーパーヴァイジーの持ち味(パーソナリ ティー)がうまく生きていくようなやり方 は何かということに気を配る。スーパーヴ ァイザーとスーパーヴァイジーは違った持 ち味を持っているので,スーパーヴァイ ザーの持ち味を生かしたやり方を押し付け るのではなく,スーパーヴァイジーの持ち 味が発揮されるようなやり方を考えてい く。

 

スーパーヴァイジーのパーソナリテ ィーの問題には深入りしない スーパーヴィジョンを進めていくうちに,単なる技法の話しだけに留まらず, スーパーヴァイジー自身のパーソナリテ ィーが問題になってくることがあるけれど も,そこには極力深入りしないようにす る。そのようなことは,できれば教育的カ ウンセリング(教育分析)という構造の中で 扱う方がよいと考える。

 

グループスーパービジョンの臨床現場での活用方法

 

 

 

 

<引用文献>