ポイント
原始反射は生育初期だけに見られる特有な反射的行動であり、吸綴反射、モロー反射、バピンスキィ反射(徴候)などがある。
原始反射は脊髄・脳幹に反射中枢を持ち、胎生5〜6か月より発達し、脳の成熟とともに消失し始め、さらに高次の神経機構(中脳、大脳皮質)の完成により抑制されていく。原始反射が一定期間を過ぎても消失しない場合なんらかの中枢的障害があると考えられる。
モロー反射
新生児を背臥位から座位方向に半ばまで引き上げ、頭部を後方に落とすと、乳児は手を開いたまま腕を急速に開排伸展する。ついで腕を内転させる。反射は通常4か月で消失する。大きな音や突然の刺激で生じることもある。
歩行反射
新生児の腕をもって足を平らな面に触れさせると、歩行のような足踏みをする。通常は6〜8週で消失する。
バビンスキー反射
新生児の足の裏をとがったもので輝から爪先にむけてゆっくりとこする。足の親指が足の甲の方にゆっくり曲がる。他の4本の指は外側に開く。出生時には存在し2歳ごろに消失する
吸啜反射 (きゅうてつはんしゃ(きゅうせつはんしゃ))
新生児のロに検査者の小指を入れると、乳さがし反射によってさがしたてた乳首を口唇などの特有の運動で吸う。
原始反射は、大駆皮質よりも下位の神経系(脳幹および脊動)と関係し、大脳皮質が成熟、発達してくると抑制(あるいは消失)される。
確認問題
[1]
新生児にはこの時期だけに特徴的に見られる反射(原始反射)として適切でないものを一つ選びなさい。
1.自動歩行反射
2.モロー反射
3.把握反射
4.藤蓋鍵反射
5.口唇探索反射
(帝京平成大学大学院 臨床心理学研究科 臨床心理学専攻)
解答
[1]
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