世界一わかりやすい心理学

ー未来の心理職の為の知識・情報室ー

オペラント条件づけ(operant conditioning)②

f:id:a-m-zyozo:20201031154919p:plain

f:id:a-m-zyozo:20190425133129p:plain

 

 

ポイント
 

 

即時強化

 

即時強化とは、強化子の呈示のしかたとして、時間が経ってから呈示するよりも反応の直後に呈示する方が効果的であることをいう。

 

タイムアウト

 

友達とおもちゃをめぐってけんかをした幼児を誰もいない部屋に一人で隔離するというようなやりかたは負の罰であるが、これをタイム・アウト法という。

 

嫌悪性制御

 

嫌悪刺激を用いて反応の生起頻度を変化させようとすることを嫌悪性制御という。

 

 

 

除去訓練 

 

奇声を発する幼児に先生が注意をしたり、周りの幼児が笑ったりして、ますます奇声が激しくなったときに、先生も他の幼児も奇声を発しても無視し、無関心でいる状態が続き、普段の状態の時に話しかけたり注目したりするようにすると、奇声の回数が減りついには消失する。このように反応を減少させる手続を省略訓練(除去訓練)という。

 

行動的対比

 

家と学校で奇声を発することで注目を浴びていた子どもが、学校で奇声を発しても注目されなくなっただけで、家での奇声が増えた。これを行動的対比という。

 

 

転移

 

学習心理学における転移とは、前に学習したことがその後の学習に影響を及ぼすことを言う。トランペットを吹いていた経験がトロンボーンの練習に役立つことは正の転移と言い、クラシックバレエを踊っていた経験があることでヒップホップのダンスが上手く踊れないような場合は負の転移と言う。また、ある作業を片方の手で練習した後、同じことをもう片方の手で練習した際に転移が見られることを、両側性転移と言う。

  

 

ルール志向行動(ルール支配性行動)

「あの監督の最新作の映画、面白かったよ」と聞いて、 その映画を見に行った場合、 それを「ルール志向行動(ルール支配性行動)」という。

 

反応と罰

罰を与えたり与えなかったりする部分罰は反応抑制効果を激減させ、罰せられる反応と罰とを結びつけて学習することを困難にさせる。

弱い罰から始め、次第に強くしていくと、どんなに強力な罰でも反応の抑制効果が弱められる。罰を与えると決めたら、適度な強度の罰を最初から与えなければならない。

反応して時間が経ってから罰を与える「遅延罰」は効果がないため、罰は反応の直後に与えた方がよい。

子どもがぐずったときに叱ったり、アメをあげたりするのは嫌悪刺激と正の強化子を同時に呈示していることになり、葛藤を引き起こしたり、ぐずるという反応を増加してしまう場合がある。

 

迷信行動

 

試験の前にカツを食べて試験に合格した。それから試験の前にはカツを食べるようになったというように偶然による強化で自発的行動が高まることを 「迷信行動」 という。

 

オペラント水準 

条件づけ前のさまざまな反応の自発頻度を「オペラント水準」 という。

 

 

確認問題

 

[1]

条件づけについて正しいものを1つ選べ。
① 貨幣やポイントを強化子とした条件づけを二次条件づけと呼ぶ。
② 古典的条件づけは、条件刺激と無条件反応の連合によって成立する。
③ オペラント条件づけによる行動変容以前の行動頻度をオペラント水準と呼ぶ。
④ 連続強化による条件づけは、間歇強化による条件づけよりも消去抵抗が強い。
⑤ 古典的条件づけにおいては、逆行条件づけは順行条件づけよりも条件反応の獲得が良好である。

公認心理師試験 第1回 問7)

 

 

解答

 

[1]

3

 

① 貨幣やポイントを強化子とすることは二次強化であり、これを用いた技法がトークンエコノミーである。
② ×条件刺激と無条件反応の連合→条件刺激と無条件刺激の連合(S-S連合)または条件刺激と条件反応の連合(S-R連合)
④ 間歇強化(部分強化)の方が連続強化よりも消去抵抗が強い。
⑤ 古典的条件づけにおいては、逆行条件づけが成立しないとされている。