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概念学習・観察学習・問題解決

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私たち人間は、たとえばチワワも柴犬もハスキーも、一度も見たことがない犬種でも、それらを同じ「犬」としてカテゴリー化するように、個々についての学習経験がなくても一群の異なった刺激に対して等しく反応することができる(概念学習)。また、自分自身が直接強化や罰を受けなくとも他者の経験をみて新しい行動を学ぶことができるし(観察学習)、経験したことのない新しい課題に直面したとき、それを解決する何らか の行動を自発することができる(問題解決)。

 

 

 

チワワや柴犬を動物の中でもイヌと捉えるように、個々の事物·事象の共通性や類似性に基づいていくつかの事例をまとめることをカテゴリー化という。

 

言葉の少ない自閉症の子どもに、大人がモデルとして単語を発声し、自閉症児がそれに似た発声をしたら強化することで単語を学習することができる。このように、モデルの行動を模倣し、強化を受けて学習することを模倣学習という。これに対し、直接強化をしなくてもモデルの行動を観察しただけで起こる学習を観察学習という。これについては、大人の男性が人形を殴ったり蹴ったりした後で、別の大人に叱られている映像を見たときに、子どもを人形がいる部屋に連れて行っても、人形に攻撃しなかったという実験結果で知られている。ここでモデルの反応に対する強化や罰を代理強化・代理罰という。

 

観察学習(モデリング)の過程には次の4つがある観察者がモデルの行動へ注意を向ける過程(注意)、観察したことを記憶として取り込み保持する過程(保持)、記憶しているモデルの行動体型を再生する過程(運動再生)、これらの3つの過程を動機づける過程(動機づけ)である。

 

 

次々とたくさんの項目を記憶させる課題を行うと、初めの方と終わりの方の項目がよく記憶されていることがヒトの記憶実験で明らかになっているが、これを系列位置効果という。

 

ヒトは似たようなことを記憶する課題を続けていくと、後で記憶したことを忘却してしまうことがある。これを順向干渉という。(古い記憶が新しい記憶を妨害すること)

逆に、逆向干渉は新しい記憶が古い記憶を妨害することをいう。

 

電話をかける直前に電話番号を何度も繰り返すように、短期記憶内に貯蔵された情報を、意図的または無意図的に、何回も単純に反 復することを維持的リハーサルという。