ポイント
フットインザドア技法・段階的要請法(foot-in-the-door)
受容されやすい小さい要請をまず承諾させ、段階的に大きな要請も承諾させていく方法。相手の態度変容を促すのに有効とされる説得の仕方の一つ。(チャルディーニ,1988)
フットインザドア技法の効果を示す実験
カリフォルニアに住む人たちを対象に「安全運転をしよう」 と書かれた大きな看板を家の庭先に立ててもらうという依頼を行うものであったが、看板を立てることによって家の景観は台無しになってしまうものであった。一つの方法は「フット·イン·ザ·ドア」技法を使ったものであり, 最初は車か家の窓に「安全運転」と書かれたステッカーを貼ってくれるよう依頼する。その後 (2週間後),家の庭先に看板を立てる依頼を行うものであった。もう一つの方法は,単に庭先に看板を立ててもらう依頼だけをするものであった。その結果,庭先に看板を立てることに応じた人の割合は,「フット イン·ザ· ドア」技法を使用した場合のほうがはるかに多かったのである。(フリードマンとフレーザー,1966)
ドアインザフェイス・譲歩誘導法(door in the face)
最初に誰もが拒否する大きな要請をし、これに応じるのを拒否された後で、それに比較すると小さな要請(目的の要請)をすることで、目的の要請の承諾率を高めるテクニック。
ローボールテクニック・承諾先取り法(low-ball technique)
最初によい条件をつけて承諾させた後に、そのよい条件を取り除いて再度承諾の確認をすると、相手は承諾を撤回せずそのまま承諾する傾向がある。
確認問題
[1]
要請技法における「ローボール・テクニック」について、「コミットメント」語を用いつつ説明しなさい。
(名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)
解答
[1]
ローボール・テクニックは、承諾先取り方とも言われる。最初に良い条件でコミットメントをとった後、その良い条件を取り除いて再度コミットメントの確認をすると、相手はコミットメントを撤回せずにそのまま承諾する傾向がある。
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