ポイント
リーダーシップ研究では効果的なリーダーシップには、『P(Performance:目標達成の促進機能)』と『M(Maintenance:人間関係の調整機能)』の2種類があるとした。
“P”は課題志向の厳しさ・励ましのリーダーシップ要因であり、“M”は人間志向の優しさ・配慮のリーダーシップ要因であるが、それらの二つのリーダーシップ要因を組み合わせた理論として三隅二不二の『PM理論』がある。
三隅二不二は、クルト・レヴィンの社会心理学におけるグループ・ダイナミクス(集団力学)を日本に紹介した心理学者としても知られるが、PとMのリーダーシップ機能を組み合わせた『4つのリーダーシップ・スタイル』があるとした。
4つのリーダーシップ・スタイルの中では、『PM型』が最も優れた効果的なリーダーシップであるとされている。
“P”は『目標達成の促進機能の高さ』、“p”は『目標達成の促進機能の低さ』、“M”は『人間関係の調整機能の高さ』、“m”は『人間関係の調整機能の低さ』を意味している。
PM型……目標達成を重視して結果を出せるように支援しながらも、人間関係の調整にもきちんと配慮しているリーダー
M型……人間関係の調整を重視していて、目標達成にはあまり熱心ではないリーダー
P型……目標達成を重視していて、人間関係の調整にはあまり配慮しないリーダー
pm型……目標達成にも人間関係の調整にも消極的で影響力の乏しいリーダー
確認問題
[1]
リーダーシップ研究におけるコンティンジェンシー(条件即応)アプローチについて、代表的な研究例を1つ挙げて論じよ。
(名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)
[2]
三隅二不二のリーダーシップ理論によれば、人間関係を重視するのは(1)機能である。
(昭和女子大学大学院 生活機構研究科 心理学専攻)
[3]
括弧に入る最も適切な語句を答えなさい。
集団が果たす機能には、目標達成に向かう(1)機能と集団の人間関係を維持する(2)機能の2つがある。両者の機能がともに高いことが最も望ましい。集団内の対人関係を測定する方法として、(3)らは、「困ったときにどうしたのかと声をかけてくれるのはだれか」といった質問による人物推定法を考案し、これは(4)と呼ばれる。集団成員全員に対して、「一緒に遊んだり勉強したいかどうか」といった質問に3段階評定するといった方法を(5)といい、これは成員全員のデータが得られる利点をもつ。
(神奈川大学院 人間科学研究科 人間科学専攻 臨床心理学研究領域)
解答
[1]
リーダーシップ研究では効果的なリーダーシップには、『P(Performance:目標達成の促進機能)』と『M(Maintenance:人間関係の調整機能)』の2種類があるとした。“P”は課題志向の厳しさ・励ましのリーダーシップ要因であり、“M”は人間志向の優しさ・配慮のリーダーシップ要因であるが、それらの二つのリーダーシップ要因を組み合わせた理論として三隅二不二の『PM理論』がある。 三隅二不二は、クルト・レヴィンの社会心理学におけるグループ・ダイナミクス(集団力学)を日本に紹介した心理学者としても知られるが、PとMのリーダーシップ機能を組み合わせた『4つのリーダーシップ・スタイル』があるとした。4つのリーダーシップ・スタイルの中では、『PM型』が最も優れた効果的なリーダーシップであるとされている。
[2]
1、M
[3]
1、P
2、M
3、ハーツホーン
4、ゲスフーテスト
5、社会的距離尺度