心理学で家族を考える family life cycle theory
こんにちは。
ジョゾです。
心理学で家族の成り立ちから終わりまで
考えられた理論を一つ紹介します。
変化の理論モデルによる6段階説
1980年に、
家族療法および家族教育にかかわる家族心理の理論と
実際に役立つ家族発達段階論を、
カーター(Carter,E.A.)とマクゴルドリップ (McGoldrickM)
が提言しました。
この変化の理論モデルによる6段階説、
これが心理学で家族を考える理論の中でも
私は専門的に感じる部分はあるものの、
理解がしやすく、納得できました。
第1段階 親元を離れて独立して生活しているが、まだ結婚していない若い成人の時期。
心理的な移行過程
- 親子の分離を受容すること
発達に必須の家族システムの第二次変化
- 自己を出生家族から独立させること
- 親密な仲間関係の発達
- 職業面での自己の確立
まずは、親元から離れることが必要とされますね。
心の発達として、
「早く一人暮らしがしたい。」
と言う気持ちはごく自然なことです。
その気持ちの裏には
自分で新しい家庭を作っていきたいという
気持ちが隠されています。
第2段階 結婚による両家族のショニング、新婚の夫婦の時期
心理的な移行過程
- 新しいシステムへのコミットメント
発達に必須の家族システムの第二次変化
- 夫婦システムの形成
- 親の家族と友人との関係を再編成すること
パートナーのシステムに新しく関わりあう必要がある。
嫁・姑問題もここで初めて発生する。
友人関係・家族の関係という
夫婦それぞれが持っているシステムに
自分をうまく組み込む必要があります。
第3段階 幼児を育てる時期
心理的な移行過程
- 家族システムへの新しいメンバーの受容
発達に必須の家族システムの第二次変化
- 子どもを含めるように、夫婦システムを調整すること
- 親役割の取得
- 父母の役割、祖父母の役割を含めて、親の家族との関係の再編成
これまで夫婦二人で成り立っていた空間に、
新しい存在が介入します。
今まで成り立っていたシステムは破棄されて、
新しく作り直すことが必要です。
この際、父方・母方の家族の役割が重要になります。
それぞれの役割を確立して、
協力関係になれることが理想でしょう。
第4段階 青年期の子供をもつ家庭の時期
心理的な移行過程
- 子どもの独立をすすめ、 家族の境界を柔軟にすること
発達に必須の家族システムの第二次変化
- 青年が家族システムを出入りできるように、親子関係を変えること
- 中年の夫婦関係、 職業上の達成に再び焦点を合わせること
- 老後への関心をもち始めること
子供が大きくなるに連れて、
子供側にも学校・習い事などから生まれる
コミュニティシステムが生まれます。
子供のシステムも尊重し
自分自身のシステムに組み込むことが必要になります。
第5段階 子どもの出立ちと移行がおこる時期
心理的な移行過程
- 家族システムからの出入りが増大するのを受容すること
発達に必須の家族システムの第二次変化
- 二者関係としての夫婦関係の再調整
- 親子関係を成人同士の関係に発達させること
- 配偶者の親·兄弟や孫を含めての関係の再編成
- 父母(祖父母)の老化や死に対応すること
この時期は、親が経験した家族発達段階論の
第1段階を自らの子供が進むこととなります。
自分の親がしてくれたように、
子供との関係を成人同士の関係に発達させなければなりません。
また、自分の親の死と向き合わないといけなくなります。
そのため家族のシステムの変化が度々おこるため
再編成を繰り返す必要があります。
第6段階 老年期の家族
心理的な移行過程
- 世代的な役割の変化を受容すること
発達に必須の家族システムの第二次変化
- 自分および夫婦の機能を維持し、生理的な老化に直面し、新しい家族的社会的な役割を選択すること
- 中年世代がいっそう中心的な役割を取れるように支援すること
- 経験者としての知恵で若い世代を支援するが、過剰介入はしないこと
- 配偶者や兄弟、友人の死に直面し、 自分の死の準備をはじめること
- ライフ·レヴュー(life review)による人生の統合
再編成を繰り返すシステムの中核からはずれます。
そのため、夫婦関係の機能をどのように維持し、
若い世代を支援する必要があります。
そのさい、過剰介入はいけません。
なぜなら、無理に自分たちをシステムに介入させることで
本来必要ないシステムの再編成が必要になり、
危機となる可能性があるためです。
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