馴化・鋭敏化(Habituation・Sensitization)
鳥の雛は頭上を横切る影に対して首をすくめるが、舞い散る落ち葉に対してそのような反応を毎回行うのはエネルギーの無駄使いであり、そのような反応は毎回小さくなっていくだろう。一方、ワシやタカのような天敵の影であれば、ただちに大きく反応するように学習するほうが適応的である…
それと関係しているのが馴化・鋭敏化(Habituation・Sensitization)である。
突然大きな音がすると驚くのは無条件反応であるが、その音が繰り返されると反応が小さくなっていくことを「馴化(慣れ)」という。
「般化」
条件づけの過程において,ある刺激に対して特定の反応が起るようになると,類似の刺激に対しても同じ反応が生起するようになる。これを刺激般化という。これに対して,ある刺激に対し反応するように条件づけられたのち,その刺激に対して類似の反応が生起する場合,これを反応般化という。
「脱馴化」とはある刺激に馴化させた後、別の刺激を与えることによって元の刺激に対する反応が大きくなること。
エ事の大きな音にビックリしたが、しばらく続くとそれに慣れ、ビックリしなくなった。しかし、突然サイレンの奢がして再びエ事の音にビックリしたというように、ある刺激に慣れたときに、別の刺激を与え、元の刺激に対する反応が復活することを「脱馴化」 という。
馴化(慣れ)は反応を減少させるが、しばらく時間が経って同じ刺激を呈示すると反応が元の水準に戻っている現象を「自発的回復」という。
刺激の繰り返しの提示により、反応が減少することは馴化であり、逆に反応が増大することを「鋭敏化」という。
ある刺激と同じ文脈で呈示された刺激が、互いに随伴的に呈示されたことがないにもかかわらず、反応を誘発することを「擬似条件づけ」 という。
刺激の強さと馴化は関係があり、弱い刺激ほどすぐに慣れる。
試行と試行の間が短い学習を「集中学習」、試行間間隔が長い学習を「分散学習」という。
馴化には2つのプロセスがあり、すぐに学習しすぐに消失するものを「短期馴化」、学習速度が遅く、なかなか消失しないものを「長期馴化」 という。
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