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注意欠如/多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit / Hyperactive Disorder)

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ポイント

小児期から思春期での精神疾患で最も頻度の高い疾患は、ADHDである。

不注意、多動性/衝動性の持続的な症状の所見として、各症状が6ヵ月以上にわたって持続していること、小児の場合、不注意症状、多動性/衝動性のそれぞれで6つ以上の症状を認め、思春期および青年(17歳以上)については5つ以上の症状を認めるといわれています。不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかが、12歳以前に存在し、これらの症状のいくつかが2つ以上の環境(家庭・学校・職場・社交場面など)で存在していることが必要である。

これらの症状が社会的・学業的・職業的機能を損なわせている、またはその質を低下させているという明確な証拠があり、症状が統合失調症や他の精神障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されない場合に診断される。

 

治療や対応において、ADHDに関しては薬物療法の有効性が示されている。その一方で、日常生活での適応を促す心理療法して行動療法の効果も認められている。また、対人面のトラブルから自信を失い二次障害として抑うつ傾向となることも多く、このためうつ病と診断されてしまう場合もある。自信喪失により正常な自我の発達が妨げられないように、自導心を保ち自己評価が高まるケアが重要とされる。

 

ADHDの直接的な原因は不明であるが、脳損傷、神経生理学的要因、生化学的要因、遺伝的要因などさまざまな面から報告がある。妊娠中の喫煙が、ADHD発祥のリスクとなるという報告もある。治療には、他の発達障害と同様、心理・教育・社会的支援と医学的治療との包括的アプローチが必要である。

 

ADHDの特徴をとらえるためによく用いられる知能検査は、K-ABC(カウフマン心理教育テストバッテリー)である。ADHDは直感的な処理に頼るので「同時処理」の得点は比較的高く出るが、順を追いながら考えることが得意ではないため「継時処理」の得点が低く出やすい。

 

 ADHDの児童に対して用いられている主な介入は、薬物療法、親への心理教育、学校との連携、子ども本人との面接の4つである。

薬物療法は、主に環境調整的対応を十分行っても改善不十分な場合に限り用いられる。使用する薬物は、ADHDを適応疾患として2007年に日本で初めて承認されたメチルフェニデート徐放剤である(現在では、アトモキセチンという非精神刺激薬も承認されている)。ただし、薬物療法による症状の改善は、心理社会的な治療・援助への効果を高めるものであり、薬物療法のみの治療は想定されていない。親への心理教育では、主に親へのADHDに関する情報提供が行われる。また、学校との連携を通じた環境調整も重要となる。ADHDの児童は、その行動特徴から叱られるばかりになりやすい結果、叱られたことに反発して問題行動に至り、また叱られる、という悪循環に陥りやすい。悪循霞を生む環境を脱し、本人のよい所を積極的に褒められる環境調整が求められる。子ども本人との面接では、遊戯療法や社会的スキル訓禁(SST)などが用いられる。

 

cf.

ADHDDSM-ⅠVの広汎性発達障害に含まれていなかったが、

DSM-5による診断基準の神経発達障害のカテゴリーにADHDが追加された。

 

二次障害

本来抱えている問題や障害によって、それとは別の困難が生じることを二次障害と呼ぶ。たとえば、ADHDの子どもが、学校で集中できないために勉強ができず自尊心が低下するなどがこれにあたる。

 

 

 

確認問題

[1]

 小学3年生のA男は授業時間中にじっと座っていることができずに、時には大声を出したり教室を抜け出してしまうことがある。順番が待てなかったり会話に平気で割り込んだりするので、友人関係も限られている。A男はどうような障害の疑いがあると考えられるか。正しいものを一つ選びなさい。

1. ADHD    2. LD    3. MR    4. PDD    5. ASD

帝京平成大学大学院 臨床心理研究科 臨床心理学専攻)

 

[2]

DSM-ⅠVの広汎性発達障害に含まれるものとして、誤っているものを次の中から一つ選びなさい。

1.レット障害

2.自閉性障害

3.アスペルガー障害

4. AD/HD(注意欠陥/多動性障害)

5.小児期崩壊性障害

淑徳大学大学院 総合福祉研究科 心理学専攻)

 

 

解答

[1]

 

[2]

 4