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対象喪失(object loss)

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ポイント

 

対象喪失(object loss)

対象喪失というのは具体的な近親者の死などの自分にとって大切な対象を喪失すること。外的対象喪失のみではなく、自分自身の健康を失ったり、それまであった環境を失ったり、理想的に思っていた人物の違う側面を見て幻滅したりというさまざまな喪失が含まれている。

 

喪の仕事(mourning work)

対象喪失を体験した際に起きる心的過程を「喪(mourning)」といい、その愛着依存の対象から離脱していくこころの営みをフロイトは喪の仕事と呼んだ。死別の場合を喪の仕事、生別の場合は悲哀の仕事と区別することもあるが、精神分析の世界ではmourning workと呼ぶことが多い。この悲哀の心理過程の作業についての関連した研究では、ボウルビィ(Bowlby)、キューブラー・ロス(Kubler-Ross)の研究がある。

 

 

ウォーデン(J, W, Worden)

ウォーデンは、対象喪失を経験した人が取り組むべき課題として①喪失の事実の受容、②喪失の苦痛の経験、③喪失対象のいない生活への再適応、④喪失対象の情緒的な再配置、という4課題を提唱し、これらを適切に経験できるよう支援するのがグリーフカウンセリングであるとしている。

 

 

確認問題

[1]

対象喪失の際に起こる心的過程を(1)といい、徐々に愛着依存の対象から離脱していく心の営みをフロイトFreud、S.)は(1)の仕事とよんだ。

帝塚山学院大学院 人間科学研究科 臨床心理専攻)

 

[2]

対象喪失に伴う悲嘆反応に対する心理的支援について、正しいものを1つ選べ。

① 悲嘆を悪化させないためには、喪失した対象を断念することを勧める。
② 理不尽な喪失体験に遭遇したときは、現実検討ではなく気分の転換を優先する。
③ 喪失した対象に対する悲嘆過程を共に体験し、その意味を共に探ることが目標である。
④ 悲嘆が病的な反応へと陥らないように、健康な自我の働きを支えることが目標である。
⑤ 悲嘆反応の中で出てくる喪失した対象への罪悪感は、病的悪化の要因になりやすいため、心理的支援の中で扱うことは避ける。

公認心理師試験 第1回 問20)

 

 

解答

[1]

1、喪

 

[2]

3 , 4

※試験後に正しい選択肢は2つあると訂正された。

① 無理に断念させるようなことは避け、少しずつ日常生活を取り戻していくことが必要。
② 現実的な問題(葬儀等)について話し合う。無理な気分転換は避ける。
⑤ 喪失した対象への罪悪感は、サバイバーズギルトと呼ばれ、悲嘆反応として出てくるのは自然で、支援でも扱っていく。