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社会的交換理論 / 社会的浸透理論 / 社会的インパクト理論 / 衡平理論(公平理論)

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ポイント

社会的交換理論

 

ティボー(J.H. Thibaut)とケリー(H. H. Kelly)の相互依存性理論では、社会的交換は相互依存に基づいていると考える。つまり、社会的交換は互いに何かを提供しあうこと(すなわち相互依存)によって成立する。

 

社会的浸透理論

 

アルトマンとテーラー(Altman, I. & Taylor, D. A.)が対人関係の発展と衰退の過程に関して提唱した理論。彼らによると,個人のパーソナリティは,欲求や感情などの中心の層から,言語的行動などの周辺の層にわたり同心円的に構成されているという。二者が関係を進展させることを,両者の相互作用がパーソナリティの周辺の層から中心の層へと浸み込んでいくこと,つまり相互に相手の中心に向かって浸透していく過程として捉えている。二者の関係の進展は,相互作用過程で生じた報酬とコストとによって影響される。コストに対する報酬の比率が大きい時に,関係は満足するものとなり,この比率が高いと予測される時には関係が発展する。逆にこの比率が小さかったり,小さくなると予測されると関係は衰退していく。関係の進展は自己開示を通してなされていく。この理論は理論的な厳密さは必ずしも十分とはいえないが,実証研究からの知見とはよく整合していると評価されている。

 

社会的インパクト理論

「社会的インパクト理論」は、他者の存在が、個人の遂行行動に与える影響を定式化した理論です。 B. Latane(ラタネ)が提唱し、社会的手抜きや傍観者効果の説明を定式によって試みたものです。 他者の存在の影響度は、「他者の地位(強度)」と「他者との距離(直接性)」と「他者の人数」によって定められると考えます。

 

 

衡平理論(公平理論)

「衡平理論(公平理論)」とは、Adams、J.S.(アダムス)によって提唱されたモチベーションの理論です。職場において、自分と他者の「仕事量に対する対価(報酬)」を比較し、不公平さを感じる場合、それを解消し公平となるように動機づけられるという理論です。

 

 

問題

[1]

コストに対する報酬の比が個人の期待である比較水準を上回る場合に当事者はその関係に満足し、一方、別の他者との関係におけるコストと報酬の比である選択比較水準が比較水準を上回る場合には、その関係に移行すると考える理論に該当するものを1つ選べ。

①バランス理論  ②社会的浸透理論 ③社会的比較理論 ④相互依存性理論 ⑤認知的不協和理論

公認心理師試験 第5回 問13)

 

解答

[1]

ティボー(J.H. Thibaut)とケリー(H. H. Kelly)の相互依存性理論では、社会的交換は相互依存に基づいていると考える。つまり、社会的交換は互いに何かを提供しあうこと(すなわち相互依存)によって成立する。