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グラウンデッド・セオリー・アプローチ / コーディング

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ポイント

グラウンデッド・セオリー・アプローチ

グラウンデッド・セオリー・アプローチとは、データに密着した分析を行ないその結果を理論として提示することが可能となる研究の方法と言える。グラウンデッド・セオリー・アプローチが考案された背景として、理論の検証に偏った当時の社会学的研究における理論とデータのギャップという問題があったと指摘されている。

 

コーディング

グラウンデッド・セオリー・アプローチでは、コーディングという作業をデータ分
析の中心に位置づけている。コーディングというのはデータから概念を抽出すること
である。ここでは、その手続きについて、ストラウスとコービンは、①オープン・コーディング、②軸足コーディング、選択コーディングの3つに分けた。

 

確認問題

[1]

質的研究における分析結果の解釈の妥当性を高める方法として、最も適切なものを1つ選べ。

①インタビュー ②コーディング ③メンバーチェック 

④アクション・リサーチ ⑤グラウンデッド・セオリー・アプローチ

 

解説

[2]

①インタビューや④アクション・リサーチ⑤のグラウンデッド・セオリー・アプローチは研究に用いられる技法そのものの名称であり、妥当性を高めるための工夫ではない。②コーディングはデータを数量化したりする際に用いる符号化のことで、符号化しただけでは妥当性を高めたことにはならない。妥当性を高めるための工夫といいうるのは③メンバー・チェックである。この方法は、研究者の主観と、メンバー(研究の受け取り側のことで、研究対象者や関係者、同一領域の他の研究者、研究の評価者など)の主観の間で形成される“合意”を妥当性の指標の1つとするための技法である。つまり、研究者の解釈をメンバーに示し、その解釈に合意できるかどうか、チェックを依頼する。多くのメンバーの合意が得られるならば、解釈の妥当性が認められたと判断する。