感情説
ポイント
G.Bowerの感情ネットワークモデル
このモデルでは記憶の表象内には、感情とその感情に関する出来事が連結してネットワークを構成していると仮定する。
A.Isenの認知容量説
この説によると、ポジティブ気分のときには、ネガティブ気分の時よりも認知容量が減少するので、システマティックな思考方略が取りにくくなり、ヒューリスティックな思考方略が取られやすい、と考える。
N.Schwarzの感情情報機能説
ポジティブな気分のときは、状況が安心安全であるということを示すため、簡易なヒューリスティック処理が用いられ、ネガティブな気分は、状況が安全安心ではないことを示すため、分析的で精緻なシステマティック処理が行われると考える。
L.Martinの感情入力説
これは、感情と行動の持続に関する理論で、課題の持続時間はストップルールと課題とは無関係な気分と関連すると考える。
J.Forgasの感情混入モデル
このモデルでは、課題の難易度や必要とされる努力の量によって、判断に対する感情の影響の大きさは異なると考える。
B.L.Fredricksonの拡張ー形成理論
B.L.Fredricksonが提唱した感情理論。ポジティブ感情は注意、思考、行動のレパートリーを拡大させ、身体的、認知的、社会的資源の形成を促すと考える。
基本感情説
P.Ekmanは基本感情として、幸福、怒り、悲しみ、嫌悪、驚き、恐怖(3)の6種類を提唱した。
基本感情説では、感情の文化普遍性を主張する。
ジェームズ・ランゲ説
ジェームズ・ランゲ説とは、自律的反応を含む身体反応を知覚することによって、情動が体験されるという説である。
感情の次元論
J.A.Russellが提唱した円環モデルは感情の次元論の代表で、感情を快不快と生理的覚醒の二次元の組み合わせで規定すると考える。
感情の社会的構成主義
主観的感情は文化特異な感情概念や感情語などに規定されているという考え方は感情の社会的構成主義である。
情動の2要因理論
情動の2要因理論とは、情動体験には、生理的覚醒と認知的解釈の2つの要因が関係すると考える。