ジョゾログ

世界一わかりやすい心理学

ー未来の心理職の為の知識・情報室ー

妥当性(validity)

f:id:a-m-zyozo:20201031154919p:plain

f:id:a-m-zyozo:20191025110500p:plain

 


 

ポイント

 

 妥当性は測定目的としている心理的特性をどれくらい的確に測定しているかを表す概念である。妥当性には複数の視点がある。代表的なものに、「内容的妥当性」「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」がある。

 

内容的妥当性は検査を構成している問題(項目)が、対象となっているものを偏りなく捉えているかを示す。つまり測定概念を網羅できているかを示す。

 

基準関連妥当性は関連が予想される外的基準との関連を確認する。基準関連妥当性は予測的妥当性、併存的妥当性に分けられる。

 

構成概念妥当性は測定しようとする構成概念が、実際にどれくらい適切に測定されているかを示す。構成概念は、ある理論を証明するためにつくられた明確でない抽象的な概念のことである。

 

 

確認問題

 

[1]

括弧に入る適切な語を答えなさい。

テストや質問紙を作成する際には、次の3点が重要となる。

①(1)は、用いられている課題や質問内容が、自分が調べたいことを含んでいるかどうかを見る。

②(2)は、作成したテストや質問紙と、それに関連のあるテストや質問紙とが相関するかどうかを見る。

③(3)は、全体的にみて、個々の因子を組み合わせたとき、テストや質問紙が意図するものを測っているかどうかを見る。

神奈川大学院 人間科学研究科 人間科学専攻)

 

[2]

心理検査における妥当性の検討方法としてMulti-trait Multi-methodによるものがある。どのような妥当性の検討に使われるものであるかを述べながら、その方法を説明しなさい。さらに、その結果得られる相関行列の各相関係数が何を表しているか述べなさい。ただし、この行列の対角線要素については言及する必要はありません。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

[3]

パーソナリティ検査が満たすべきもっとも重要な妥当性と学力検査のそれとは異なる。それぞれ満たすべきもっとも重要な妥当性を答え、その妥当性を達成するためには、それぞれどのような作成方法をとるのか、違いがわかるように答えなさい。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

[4]

MultiTrait-MultiMethod Matrixについて、Matrixの各要素が何を示すのかを述べながら、どのような妥当性を検証するものかを説明しなさい。なお、各要素については、何と何の相関であるのかを明記すること。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

 

 

解答

 

[1]

1、内容的妥当性

2、基準関連妥当性

3、構成概念妥当性

 

 [2]

多方法行列分析法 多特性・多方法行列分析法(MTMM) 多特性・多方法行列分析法(Multi-Trait Multi-Method analysis: MTMM) :収束的妥当性と弁別的妥当性を使って構成概念妥当性を検証する方法。具体的には同じ受験者に対して 2 つ以上の特性を 2 つ以上の方法で測定し、相関行列分析を使って収束的妥当性と弁別的妥当性を満たしているかで構成概念妥当性があるかを確かめる。 収束的妥当性:同じ特性を異なる方法で測定した尺度間の相関(同一特性異方法相関)で表す。 弁別的妥当性:異なる特性を同じ方法で測定したテスト間の相関(異特性同一方法相関)と異なる特性を異なる方法で測定した尺度間の相関の2つによって表す。

 

 

 [3]

パーソナリティ検査においては、構成概念妥当性がもっとも満たすべき妥当性である。学力検査においては、基準関連妥当性がもっとも満たすべき妥当性である。 「パーソナリティ検査は測定しようとしている構成概念または心理学諸特性を検査でどのくらい測定できているかを問う概念である構成概念妥当性が必要であり、理論的に同じ構成概念の他検査との相関で示される収束的妥当性や、別の構成概念の他検査との相関で示される弁別的妥当性を確かめることで、構成概念妥当性を満たす検査を作成する。 一方、学力検査においては、テストや心理測定によって得られた値が、外部基準と高い相関を持つかどうかを指す指標である基準関連妥当性が必要である。作成した検査と基準となる方法を同時に実施する併存的妥当性や、後で検査を実施し、その結果の予測可能度合いを見る予測的妥当性を用いて、基準関連妥当性を満たす検査を作成する。

 

 

 [4]

 多特性多方法行列 (multitrait-multimethod matrix: MTMM)におけるmatrixの各要素は、収束的妥当性と弁別的妥当性である。具体的には同じ受験者に対して 2 つ以上の特性を 2 つ以上の方法で測定し、相関行列分析を使って収束的妥当性と弁別的妥当性を満たしているかで構成概念妥当性があるかを確かめる。収束的妥当性は、同じ特性を異なる方法で測定した尺度間の相関である。弁別的妥当性は、異なる特性を同じ方法で測定したテスト間の相関である。