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ウィニコット(Winnicott, D.)

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ポイント

 

ウィニコット(Winnicott, D.)

イギリス小児科医。独立学派。小児科医として多くの母子を観察し、独自の理論を展開した。

 

 

原初的没頭(primary maternal preoccupation)

新生児が生まれる前から出生後数週間に渡って続く母親の状態。母親は、乳児にとらわれた状態になり、外界に注意を払わなくなる。これは適応的で健全な状態だとウィニコットは考えた。

 

ほどよい母親(good-enough mother)

特別に優秀な育児能力や育児への強い熱意を持っている母親のことではなく、子どもに自然愛情と優しさを注ぎ一緒に過ごす時間を楽しむことが出来る母親のこと。ほどよい母親は、子どもの発達段階や要求水準、身体的・精神的能力に合わせて、子どもの依存心(愛情欲求)を満たしながら、心理的自立を少しずつ促進することができる。

 

ホールディング(holding)

乳幼児が心身ともに健やかに発達するために必要な保護的で支持的で発達促進的な環境を作り出す母親の役割。ホールディングの環境はほどよい母親によって作られる。

 

錯覚(illusion)/  脱錯覚(disillusion

生まれたばかりの乳児は母親の原初的没頭ゆえに、「自分が求めれば欲求はすぐに満たされる」という幻想を抱いている。そして、母親と自分は一体であるという錯覚を持っている。しかし原初的没頭が終わりかけると、乳児は徐々に母親を自分とは異なる存在であると認識することができるようになる。これを脱錯覚と呼ぶ。

 

移行期(transitional period)

移行期とは、乳幼児が錯覚(絶対的依存期)から脱錯覚(相対的依存期)の過渡期のことであり、およそ生後6ヶ月〜1歳頃のことを指す。

 

移行対象(transitional object)

移行期における母親との分離など、ストレスフルな状況で母親の代わりとなり、情緒的な安定を促進させる対象のこと。移行対象は特別の愛着を寄せる毛布、タオル、ぬいぐるみといった無生物の対象である。

 

 

スクイッグル法

ウィニコットが開発した描画法。相互なぐり描き法とも呼ばれる。最初にセラピストがサインペンで用紙になぐり描きをし、その後クライエントがそのなぐり描きから連想されたものをクレヨンで線を描き加える。このプロセスを交互にそして複数回繰り返す描画法。子どもにも適用できる。

 

 

確認問題

[1]

下記の用語について簡単に説明しなさい。

・transitional object

東洋英和女学院大学大学院 人間科学研究科 人間科学専攻)

 

[2]

下記の用語について簡単に説明しなさい。

・holding

東京女子大学大学院 人間科学研究科 人間社会学専攻)

 

解答

[1]

移行対象。ウィニコットが提唱した概念で、およそ生後6ヶ月〜1歳頃の移行期に出現する母親との分離など、ストレスフルな状況で母親の代わりとなり情緒的な安定を促進させる毛布、タオル、ぬいぐるみといった対象のこと。

 

[2]

ホールディング。ウィニコットが提唱した概念で、乳幼児が心身ともに健やかに発達するために必要な保護的で支持的で発達促進的な環境を作り出す母親の役割。ホールディングの環境はほどよい母親によって作られる。