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スターン(Stern, D.N.)の自己感の発達

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ポイント

 

スターン(Stern, D.N.)は乳幼児の観察から、乳児は生まれた時からなんらかの自己感を持っていると主張しそれまでの「自他未分化な乳児(マーラー)」という考え方を否定した。

 

新生自己感(0~2ヶ月)


様々な知覚様式でえられる体験を関連付け、自己感が生まれつつある段階

 

中核自己感(2~6ヶ月)

自己体験がまとまりをもつようになり、自己と他者の区別が確立し、他者とともにある自己という感覚も生じる段階。

 

主観的自己感(7~12ヶ月)

他者との間で内的主観的体験が共有可能であることを学ぶ段階。この時期に始まる「間主観的なかかわり合いの領域」において情動調律が中心的な役割を担う。

 

cf.

情動調律(attunement)

 母親との関わり合いで重要な役割を果たすのが情動調律である。情動調律は、主観的自己感の形成期で初めて観察される母子間の情動的な相互交流のパターンをさす。これは、親が乳児との感情共鳴の体験を自動的に他の表現型で表し、乳児とは別のパターンや行動の背後にある乳児の内的感情を反映するような行動の側面をまねることをいう。つまり、相手の動作の単なる模倣ではなく、相手の心の状態がこちら側にはこのように伝わっているということを、別の次元で伝え返す、かかわりのこと(例:乳児の感情的表現に対して、母親が言語で応答すること)である。これは、身ぶりや声の抑揚を通しての交流だ。たとえば、乳児がおもちゃに興奮して「アー!」という喜びの声をあげ、母親の方を見みたとする。母親もその子の目を見返し、上半身を大きく揺ってみせる。その動きは子どもが「アー!」と言っている間続いたとしたら、親は子どもと同じ喜びと興奮に満ちているといえる。これが情動調律である。

 

言語的自己感(1歳〜)

言語が発達することで、他者と意味を共有したり自己を客観視したり象徴遊びができるようになる。これまでの3つの自己感も働いているが、経験は言語化できるものとできないものに分離され、言語化できない体験は心の深みに沈殿していく情動体験となり、無意識の中で時に神経症を発症させることがある。

 

 

確認問題

[1]

下記の用語を簡単に解説しなさい。
・affect attunement

山梨英和大学大学院 人間文化研究科 臨床心理学専攻)

 

[2]

「象徴遊び」とはどの時期に出現するどのようなものか、例を一つ挙げて説明しなさい。

名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

[3]

象徴遊びに関連する能力に含まれないものを選択しなさい。

1、微細運動の発達

2、延滞模倣

3、装象

4、保存の概念

静岡大学大学院 人文社会科学研究科 臨床人間科学専攻)

 

解答

[1]

情動調律。スターンが提唱した概念。相手の動作の単なる模倣ではなく、相手の心の状態がこちら側にはこのように伝わっているということを、別の次元で伝え返す、かかわりのこと。

 

cf.長文解答

スターンが提唱した。母親との関わり合いで重要な役割を果たすのが情動調律である。情動調律は、主観的自己感の形成期で初めて観察される母子間の情動的な相互交流のパターンをさす。これは、親が乳児との感情共鳴の体験を自動的に他の表現型で表し、乳児とは別のパターンや行動の背後にある乳児の内的感情を反映するような行動の側面をまねることをいう。つまり、相手の動作の単なる模倣ではなく、相手の心の状態がこちら側にはこのように伝わっているということを、別の次元で伝え返す、かかわりのこと(例:乳児の感情的表現に対して、母親が言語で応答すること)である。

 

[2]

象徴遊びは、自己の動作や周囲の対象を,それとは別の事象や対象の象徴と見立てて遊ぶこと。 スターン(Stern, D.N.)によると、言語的自己感の時期(1歳ごろ)から象徴遊びが出現するとしている。たとえば,自分を死んだあひると見立ててソファの上で伸びている動作をしたり,人形を犬と見立てて呼びかけたりする。

 

 

[3]