アクセプタンス＆コミットメント・セラピー（ACT: Acceptance and commitment therapy）

・アクセプタンス（受容）とマインドフルネスの技法を用いて、恐れの対象となっている自分自身の思考・感情・記憶・身体感覚と自分との関係を変えていく心理療法である。

・マインドフルに物事を捉え、行動としてコミットメントを行い行動変容を促すところまで重視するもの。

・思い浮かんだ思考によってフュージョンの状態になっていることから抜け出し（脱フュージョン）、あるがままで受け入れられる（アクセプタンス）ように援助していく

ACTは、6つの基本原則に基づき、心理的柔軟性の獲得を目指すアプローチ。望ましくない認知や行動の除去や修正ではなく、認知や行動の選択肢を豊かにすることで、柔軟な対応がとれることが重視されている。

　体験を回避せず、ただそこへいさせてやる。あえてそのまま置いておく。

　自分の考えが言葉にすぎないことに気づき、出来事や体験とそれらへの評価の認知的な結びつきをを弱め、思考に飲み込まれないようにする。現実と思考の混同から脱する。

　今起きている心理的な出来事や環境的な出来事に意識を向ける。

　自分がなにを考えているのか、心や体で何を感じているのか、何をしているのかを常に意識している自己と、接触すること。自分が置かれている文脈や環境の「今」に集中する。「観察する自己」。

　自分の人生がどうありたいか、自分が生きていこうとする方向や価値を言語化する。

　自分の価値にそった、効果的な行動を増やす。

ケース・フォーミュレーションに基づくクライエントへの心理教育によって、クライエント自身が自分の問題状況を把握し、介入方法をホームワークという形で自分自身で実践することによって、自分自身でケアができる状態を目指す。

cf.

包括型地域生活支援プログラム（ACT：Assertive Community Treatment）は、重い精神障害をもった人であっても、地域社会の中で自分らしい生活を実現・維持できるよう包括的な訪問型支援を提供するケアマネジメントモデルのひとつである。

問1

マインドフルネスに基づく認知行動療法として、適切なものを2つ選べ。

②応用行動分析

③弁証法的行動療法

⑤アクセプタンス＆コミットメント・セラピー＜ACT＞

問1 ３・５

世界一わかりやすい心理学