世界一わかりやすい心理学

ー未来の心理職の為の知識・情報室ー

短期記憶 長期記憶

f:id:a-m-zyozo:20201031154919p:plain

☆☆☆☆☆

 

□短期記憶

 

    人間の記憶は、その保持時間の長さに基づいて、短期記憶、長期記憶に区分することができる。

    短期記憶に一度に保存できる情報の量には限度があり、だいたい7±2項目と言われている。この7という限界は,単に7個というのではなく,情報の意味のあるまとま りが7つということであり, この意味のあるまとまりのことは チャンクと呼ばれる。

    短期記憶に保持される情報は,いつも意識化された状態にあ ると考えられる。そして,短期記憶に入った情報は, とくに何 も操作が加えられない限り,数秒から30秒程度しか保持され ない。そのため, たとえば電話帳で番号を調べて電話をかける ときに, メモに番号を控えておかなかったなら, 調べた直後で は覚えているが,別の用件を済ませた後ではもはや番号がわか らなくなってしまうのである。ただし,その情報を繰り返すという操作を続ければ(声に出しても, 心の中だけで繰り返して もよい), その操作を続けている限り情報は失われない。 この ような情報を繰り返すという操作はリハーサルと呼ばれている 短期記憶に情報を保持し続けるための, が, 単に情報を復唱す るだけのリハーサルは, とくに維持リハーサルと呼ばれる。 なお, 最近の研究からは, 暗算をしたり, 推論を行ったりす る際に用いられる短期記憶の機能に注目して, 日常の活動を積 極的に支えている短期記憶を作動記憶と呼ぶ場合がある。 

 

point

短期記憶とは、感覚情報が意味処理され、認知作業のために保管された一時的な記憶のことである。この短期記憶に一時的に保管された情報を用いて、様々な作業を行ったり、課題を解決したりすることが可能となる。記憶容量は7± 2チャンクとされており、保持時間は数秒から30秒と長くはない。そのため、長期記憶として保持しておくためには、頭の中で短期記憶の情報を復唱するリハーサルとよばれる処理が必要となる。

 

□長期記憶

 

    長期記憶に保持される情報の量には, ほとんど限界はないと考えられている。そして、 一度長期記憶に貯蔵された情報は、ほぼ半永久的に保持されると思われている。 長期記憶では, 保 持される情報は主に意味的情報の形式で表される場合が多く, うまく整理された形で貯蔵されている。 ここに保持されている 情報は, 普段は意識されることはなく, 必要に応じて, 検索さ れて短期記憶に転送され, 思い出されることになる。 ところで, 長期記憶は、保持する情報の内容によって, 手続き的記憶と宣言的記憶に区分される。手続き的記憶には, 自転車の乗り方などのような、何かを行う手続きに関する情報が保持される。それに対して、宣言的記憶には、言葉によって記述できる事実に関する情報が貯蔵される。宣言的記憶は、さらに、 「いつ」「どこで」という情報を伴う出来事に関する記憶であるエピソード記憶と、 一般的知識の記憶である意味記憶とに区分することができる。

 

point

長期記憶とは、理論上永久に貯蔵される容量無限の記憶貯蔵庫のことである。 短期記憶の情報が精緻化リハーサルによって深く意味処理されることで、長期記憶へと移行する。長期記憶は大きく分けて言語化可能な宣言的記憶言語化が困難な動作の記憶である手続き記憶に分類される。さらに、宣言的記憶は時間的・空間的に特定可能な経験の記憶であるエピソード記憶と、一般的な知識に関する記憶である意味記憶に分類される。