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干渉説(interference theory)と抑圧説(repression theory)

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ポイント

 

□記憶の仕組み

 

 覚えること、覚えていること、思い出すことを記憶の仕組みとして、符号化(記銘)、貯蔵(保持)、検索(想起)の三つの段階として分ける。適切な手がかりと思い出す事項を適切な手がかりとともに意味処理、つまり符号化(記銘)して、それを持続的に貯蔵(保持)しておく、そして何かを思い出す時、何らかの手がかりが適切であると検索(想起)しやすい。

 

□干渉説と抑圧説

 

 忘却における干渉説とは、記憶痕跡同士が干渉しあうため、組織化されている事柄は互いに記憶を妨げるという説である。前に記憶したことが後の記憶を妨げることを順向抑制、後で他のことを記憶するこにとによって前の記憶が妨げられることを逆向抑制と言う。例えば、試験日前日に試験勉強をした後ですぐに寝た場合とそのまま朝まで起きていた場合では、すぐに寝たグループの方が成績はよい傾向にある。これは動強した後に起きていることで他の情報が入ってくるために逆行抑制が生じた例といえよう。一方、抑圧説とはもともとフロイトが提唱した忘却理論である。自我を脅かすような苦痛を伴う意識内容を無意識へ押し込み、思い出せなくなるという説である。例えば、幼少期に虐待体験を経験したクライエントがそれを思い出せないという場合には、抑圧による忘却が生じていると考えられる。

 

 

 

確認問題

[1] 

 忘却に関する干渉説と抑圧説について、それぞれ具体例を挙げて説明しなさい。

中央大学大学院 心理医療科学研究科 心理医療科学専攻 心理臨床学コース)

 

 

 

解答

 [1]

忘却における干渉説とは、記憶痕跡同士が干渉しあうため、組織化されている事柄は互いに記憶を妨げるという説である。前に記憶したことが後の記憶を妨げることを順向抑制、後で他のことを記憶するこにとによって前の記憶が妨げられることを逆向抑制と言う。例えば、試験日前日に試験勉強をした後ですぐに寝た場合とそのまま朝まで起きていた場合では、すぐに寝たグループの方が成績はよい傾向にある。これは動強した後に起きていることで他の情報が入ってくるために逆行抑制が生じた例といえよう。一方、抑圧説とはもともとフロイトが提唱した忘却理論である。自我を脅かすような苦痛を伴う意識内容を無意識へ押し込み、思い出せなくなるという説である。例えば、幼少期に虐待体験を経験したクライエントがそれを思い出せないという場合には、抑圧による忘却が生じていると考えられる。