ポイント
他者や自分の行動の原因や理由を解釈し、推測する過程は「原因帰属」と呼ばれる。
人の行為に関する原因帰属には一定の歪み(バイアス)が生じる。
原因帰属の3次元とは、位置(内的/外的)・安定性(安定/不安定)・統制可能性(統制可能/不可能)のことである。
他者の行動の原因について考える際、外的な要因より、内的な特性に原因を求めがちであることが示されている。つまり、失敗をした相手に対しては原因を性格に求め、失敗をした本人は原因を環境に求める傾向が原因帰属におけるバイアスを引き起こしている。
「根本的」な帰属の誤り(過誤)(fundamental attribution bias)
他者の行動の原因について考える際、外的な要因より、内的な特性に原因を求めがちになってしまい、外的なものの影響を過小評価してしまう傾向のことである。
行為者-観察者バイアス(actor-observer bias)
ある行為の観察者はその原因を行為者の内的な要因に原因帰属をするが、行為者自身は外的な要因に原因帰属をする傾向のこと。
自己奉仕的バイアス(self-serving bias)
自分が成功したときには、自分の能力や努力といった内的なものに帰属し、失敗したときには運や状況といった外的な要因に帰属する傾向のこと。
確認問題
[1]
さまざまな出来事や行動について、その原因を推論する過程を(1)という。
(昭和女子大学大学院 生活機構研究科 心理学専攻)
[2]
人の行為に関する原因帰属には、一定の歪み(バイアス)が生じることが古くから指摘されている。この原因帰属におけるバイアスについて論じなさい。
(名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)
[3]
次の事項と関連の深い人名あるいは事項を選択しなさい。
・原因帰属
1、統制可能性 2、報酬 3、メタ認知 4、統合的調整
(名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)
解答
[1]
1、原因帰属(帰属過程)
[2]
原因帰属におけるバイアスに根本的帰属の誤りがある。これは、他者の行動の原因について考える際、外的な要因より、内的な特性に原因を求めがちになってしまい、外的なものの影響を過小評価してしまう傾向のことである。
[3]
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