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ハロー効果(halo effect)/ 対応バイアス(Correspondence bias)/ 自己中心性バイアス(self-centered bias)

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ポイント

ハロー効果(halo effect)

ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。光背効果、ハローエラーともいう。

 

対応バイアス(Correspondence bias)

他者の行動を観察した時、本来はその行動を規定する外的環境的要因があることをわかっているにも関わらず、その行動の要因を過度に内的要因に求める認知傾向を対応バイアス(基本的帰属エラー)と呼ぶ。

“状況要因を十分に考慮せず、行為者の内的特性を重視する傾向”は基本的帰属エラーと呼ばれる。

 

自己中心性バイアス(self-centered bias)

他者の心的状態の推論を行う際、自己の知識や認知を基準とするため、偏った推論が発生すること。

 

スポットライト効果

スポットライト効果とは,自分が気にしていることを他者も同じくらい気にしていると判断してしまうことである。このように自分に対する注目を過度に感じてしまう認知をスポットライト効果という。自己中心性バイアスの一種である。 

 

 

確認問題

[1]

他者がある側面で望ましい(もしくは望ましくない)特徴をもっていると、その評価を当該人物に対する全体的評価にまで広げてしまうことを(1)効果という。

 (名古屋市立大学大学院 人間文化研究科 人間文化専攻)

 

[2]

 心理アセスメントに関する記述で正しいものを一つ選びなさい。

①心理アセスメントの方法には大きく分けて、観察法、面接法の二つがある。

②半構造化面接は、質問内容をあらかじめ用意しない面接法である。

③参与観察とは、クライエントがありのままに行動しているところのみを観察する方法である。

④観察や面接による評定では、しばしば主観的判断を伴うため、さまざまな誤差が生じる。この誤差による誤りの一つにハロー効果がある。

⑤心理アセスメントは、クライエントの不適応的な側面にだけ焦点をあて、クライエントを理解しようとするものである。

帝京平成大学大学院 臨床心理学研究科 臨床心理学専攻)

 

[3]

社会的認知のバイアスについて、正しいものを1つ選べ。
① 他者の内面を実際以上に理解していると誤解することを透明性の錯覚<透明性錯誤>という。
② 集団の違いと行動傾向との間に、実際にはない関係があると捉えてしまうことを擬似相関という。
③ 観察者が状況要因を十分に考慮せず、行為者の内的特性を重視する傾向を行為者ー観察者バイアスという。
④ 自分の成功については内的要因を、自分の失敗については外的要因を重視する傾向を確証バイアスという。
⑤ 人物のある側面を望ましいと判断すると、他の側面も望ましいと判断する傾向を光背効果<ハロー効果>という。

公認心理師試験 第1回 問13)

 

 

解答

[1]

1、ハロー効果

 

[2]

4

 

[3]

5

 

① 自分の内面を他者が実際以上に理解していると誤解することを透明性の錯覚<透明性錯誤>という。

② 2つの間に、因果関係がないのあると捉えてしまうことを擬似相関という。

③ 行為者一観察者バイアスとは、自身が行為者である場合にはその行為を外的帰属、自身が観察者である場合には他者の行為を内的帰属するという認知傾向のことである。“状況要因を十分に考慮せず、行為者の内的特性を重視する傾向”は基本的帰属エラーと呼ばれる。

④ 確証バイアスとは、自分のもつ仮説を裏づける根拠のみを採取し、仮説を覆す根拠には認知が及ばなくなるという認知傾向のこと。「自分の成功については内的要因を、自分の失敗については外的要因を重視する傾向」は自己奉仕的バイアスと呼ぶ。